「釣り上げし鱸の巨口玉や吐く」 俳人蕪村の句だ。
「うおー!スズキの口でっけー!!カっと目を見開いて口ぱっかーん!なってもーてるやん!玉でも吐くんちゃうん!?」って感じの句らしい。知らんけど。
で、俳句というのは五七五の定型詩から成り立ち、一つの句に一つの季語が入ることとなっているそうだ。知らんけど。
前述の句では、「鱸」が季語となっていて、季節は「秋」とのこと。知らんけど。
もう晩秋なのに鱸(ハネ含む)全然釣れねえ
季語間違ってんじゃねーか!?蕪村!!!!
まぁエビ撒き釣り自体の回数が少し少なかった感はあるがそれにしても釣れてない。
あまりにも釣れないので最近は飲ませ釣りで青物狙いに走っていた次第。
が、それもあまりパッとしない釣果だったので後日まとめてダイジェストにしようかって温度感。
とにかく、蕪村にすら八つ当たりしてしまうほど、(エビ撒き釣りで)スズキが釣れない。
なので今回は海上釣堀行ってみようかと
本業のエビ撒き釣りでハネが釣れない。
セカンドチョイスの飲ませ釣りも坊主は無いもののいまいちパっとしない。
さぁ手詰まりだな・・・。どうするか・・・。
と思っていた所、今回釣りを一緒にやる約束をしていた方が結構海上釣り堀好きな方で、急遽海上釣り堀で初釣行することに。
急遽海上釣り堀釣行が決まったので急遽釣具を揃える
海上釣り堀なんざ行ったことが無いので、もちろん釣り道具はない。
知らなかったが、どうも海上釣り堀で使用できる竿の長さってのはある程度制限があるらしく(主に釣座が狭いという理由)
概ね3m前後の竿が使用されるそうだ。そんな長さの竿はシーバスロッドぐらいしか持っていない。別にシーバスロッドでやってもいいんだけど、私の持っているシーバスロッドじゃ青物を数分で浮かせてこれるほどのパワーは無いので、この機会に買っといたほうが良いかなと思い、海上釣り堀用の竿を購入することに。
(毎回言ってるけど)
今回は気合が違う
まず、鯛やシマアジ用に、「SHIMANO BORDERLESS BB 350H4S-T」をチョイス。
BORDERLESSは既に何本か所有しているが、BBを購入するのは初めて。
BORDERLESSの中途半端&万能感が私は結構好きなのでこの竿もいい感じにフィットしてくれるんじゃないかと。なにも調べたりせず店頭でちょろっと触って決定。
もう一本。
ブリ、カンパチ、ヒラマサ用に「がまかつ Core Spec H300」
まぁ、別にBORDERLESS BB 350H4S-Tで十分やれるとは思ったが、竿一本だと青物用と鯛用で仕掛けを付け替えたりする手間が面倒だなと思い、もう一本購入。
何気にがまかつの竿を購入するのはこれが初めて。
がまかつの竿らしい持ち重り感の無いシャキっとした仕上がり。
高級機では無いが、穂先部分はIMガイドを搭載していて長年愛用できそうなスペック。
長年愛用するほど海上釣り堀にハマれば良いが・・・・・。
海上釣り堀用の小物も色々と調達
海上釣り堀と言えば通常の波止とは違い、獲物を存分に走らせるといったことがほぼ不可能なので、ごっつい糸で強引に浮かせることが必須。
なので初めてこんな太いPE購入。四号。まるでタコ糸。
今回は2500番の14ナスキーと、タチウオ用に使用していた3000番のツインパワーXDにそれぞれ4号のPEを50m装着。巻き切ってピッタリ。
針も購入。普段の波止釣りではカン付きを使用することはないのだけど、扱いやすさを重視してカン付きのものを購入。
あとはいくつか糸付きの海上釣り堀用として売ってるものを購入。結局それしか使わなかったけど。笑
ウキは棒ウキが好きなのでなるべく感度の良さそうなスリムで自重の軽そうなものを2~5号をチョイス。
ハリスは何号を購入するべきかちょっと考えがまとまらなかったのでタチウオワインド用に使用していた25lb.ナイロンのショックリーダーが自宅に余っていたのでそれを使用することに。笑
別にこれで十分だよ十分。
海上釣り堀と言えばたくさん餌を持っていくイメージ
釣り番組なんかで海上釣り堀が舞台だと、餌をたくさん持ち込んでいるし、チラっとネットで調べた感じでは、やはり餌の種類は多いほうが良いっぽいそうなので初めてということもあり、無駄にたくさん持ち込んでみた。
練り餌?もいくつか持っていったが、どれも使用感が違って好みがわかれるんだろうなぁ~。
もちろん定番のきびなごも持っていったし、これで何が釣れんの?と思ったホタルイカも持っていった。ホタルイカは普通に美味そうだった。
海の魚って貝の剥き身が好きなイメージがあるので、活きアサリも持っていった。
今回、舞台となったのは海上釣り堀「海釣ポート田尻」
この日、初の海上釣り堀デビューとなった場所はりんくうタウン近くにある「海釣ポート田尻」
色々と諸事情が重なってしまい、オープンの時間を大幅に過ぎた8時半過ぎに釣り座を構えることに。
橋脚の下にイケスが設置されている。
海上釣り堀と言えば沖に設置してあるイメージだったが、ここは港内?の陸近くにイケスが設置してあり、水深も4ヒロ無い程度と浅い。
この日は朝からどんよりとした曇天だったが、幸運なことに雨にはふられなかった。
では海上釣り堀。実釣開始。
竿は2本持ち込んでいたが、「青物用の仕掛けはとりあえず後で良いか」と思い、鯛用にと用意していたBORDERLESS BB 350H4S-Tをセット。この竿には14ナスキーを装着。
大半の方は竿を直置きされていたが、いつも使用しているロッドホルダーを持って行ったのでとりあえず使用。直置きのほうがとっさに動けるかな。
港内のイケスのためか、海はベッタベタ。潮もスケスケ。
2ヒロ半ぐらいまでなら刺し餌が見える。
風が吹けばほんの少しは上滑りするが、潮が動くといった感触はこの日一度も感じることが出来なかった。
日によるのか、もうそういうものなのかわからない。
全くわからないから色々試すも・・・・
まず一番最初に選んだ餌はシラサエビ。
本業がエビ撒き釣りなので、シラサエビの威力も知っているし、信頼が一番厚い。
「エビを食わない魚のほうが少ない」これは私が日頃常々口にしている言葉。
が、この日は食われなかった・・・・。
次に、海上釣り堀では定番の、発色の良い練りエサみたいな奴。
これも色々と種類があって、バラケが早いものとか、何時まで経っても溶けずに海中とどまるやつとか、浮力が強いもの弱いもの、好みや考え方によってチョイスが分かれる所だろう。
私の場合は初めてなので何が良いか好きかも今回の時点では判断しかねた。
一筋縄ではいかない海上釣り堀
ー 海上釣り堀
私のイメージでは、イケスにたくさんの腹を空かせた魚が入っており常時誰かが竿を曲げてるような状況。
釣り関連のテレビなんかでも、「バカっぽくて天然っぽいフリしとけばおじさん年代にウケるんでしょキャーキャー」みたいな釣りガールですらいつも爆釣している。
そんなイメージだった。
が、現実はそう甘くなかった・・・・
9時前には実釣を開始し、とにかく状況もよくわからないし、段取りも要領もよくわからない。
同行者は釣堀経験は豊富なものの釣り自体はそこまで詳しくない為、助言を求めたくても求められない。
とりあえずいつもやってる波止釣りのように、仕掛けの馴染み方を変えてみたり、タナを色々と探ってみるも無反応。
周りの常連らしき釣り客も反応は得られにくい様子。
ただ、私とは違って全く反応がないわけではなく、ある一定の釣り座付近ではポロポロと拾えているようだった。
海上釣堀デビュー。2時間が経過
・・・・・・反応がない。
一度だけ反応があったものの、本当に一瞬だけウキが沈んだだけで合わせるに至らなかった。
海上釣堀では(ある程度状況によるものの)そのぐらいの反応でアワセをくれてやらなければならないらしい。
波止での釣りだったら「もうちょっと消し込んでからでも遅くはない」って感覚だったので・・・。
「うーん。釣れてる人は限られてるみたいやけど、釣れへんことは無いっぽいなぁ・・・。何が違うのか・・・。」と試行錯誤。
色々と餌をローテーションし、黄色の練り餌を投入しウキが馴染んだ直後、スーッと消し込んだので即アワセ。
海上釣堀1匹目。マダイ。
40cmぐらい。いつも波止で相手してる同じサイズのチヌよりは楽だったかも。
面倒なのでぶち抜こうと思ったけど同行者の方がタモで掬ってくれた。
この後は連発か?と思ったが、もちろんそんなに甘くはなく、
何事もなく1時間が経過・・・・。
ここで初めて青物狙いということで、生き餌の銀兵(ウグイ)を投入。
活きアジも用意していたが、もう一本の竿を用意するのが面倒だったので、タイ用の仕掛けのまま自重の軽いウグイで様子見。
ハリスの中ほどにジンタンを打っていたが、ウグイが思いのほか元気で、いつまで経っても馴染まないので針のミミ付近にジンタンを打った。これで動きが制限され、仕掛けがよく馴染むようになった。
投入。
ウキがピクンピクンっと動く。
ウキの設定はシブシブに調整してあり、少しの動きでもウキが反応する。
ピクピクピク・・・・スーっとウキが沈み
「ウグイが元気やったとしてもこれは沈みすぎやな・・・・」
えいっと軽合わせしてみると
抜群の 重★量★感 !!
強めに締めてあったドラグが勢いよく出るので、さらに強めに締め直し
小声で「青でーす」コール
よく知らないけど、海上釣堀では、青物が掛かると走り回って周りの釣り座の仕掛けを巻き込みまくるので、青物が掛かったら青物コールをして周りのお客さんに伝えなければならないそうだ。
全国的にこのルールが適用されているかは知らないが関西ではそんな感じらしい。
常連さん達が「青やでーっ 竿あげたってや~」と伝えて回ってくださったおかげでイケスに竿を出していた私以外のお客さん全員が竿をあげた。
快★感 !!
自分の掛けた獲物を引き金にして、全員が竿をあげるのだ。快感とスリル以外のナニモノでもない。
さっさとこの獲物をどうにかしないと、他の釣り客全員が竿を出せないのだ。たまらない。
内心無理くせーなと思いつつも、無理やり巻き上げてきて
なんとかキャッチ。
初めて釣った。カンパチ。
確かに重量感はあったが、後から思い返すと、やはり波止から釣る青物のパワーに比べると格段に軽かったかもしれない。
いや、パワーというか、体力がない。すぐバテる。天然の奴らはなかなかバテてくれない。
また、なんかよくしらないけど、そこそこ高級魚らしい。
パッと見は全く青くないけど青物の類だそうだ。私がホームエリアにしている波止周辺ではまずお目にかかることのない魚なのでよくしらない。笑
針掛かりは極上のフッキング。
上唇の硬い所をキッチリ貫いており、ペンチが無いと外せないレベル。
その後もぜーんぜん反応が無いものの餌をしつこくローテーションし続けなんとか1匹拾い・・・・。
↓こちらが試行錯誤の残骸。
この後は営業終了時刻の14時までやり切ったが、反応は得られず。
結局最終釣果は3匹のみ。完全に赤字である。元は全く取れていない。
ざっと見た感じ、常連客らしき人たちはポロポロと。オープンからやってた人でごく一部の個人でツ抜けするかしないか。グループ単位なら何組かツ抜けって感じ。
それほど常連でもなさそうな人に至ってはボウズの人も見受けられた。
釣り堀経験の豊富な同行者もこの日は残念ながらハマチ1匹という釣果に終わってしまった。
初めての海上釣堀。自分なりの考えや感想
今回は楽しめたかどうかとかは置いといて、海上釣堀を初めてやってみた感想や自分なりの考えをまとめたい。
まず、普段やっている波止釣りとの一番大きな違いは目の前に絶対魚が居ることだろう。
なので、「今日は魚おらんわ」という言い訳は絶対に通用せず、
釣れない=腕が悪い ものだと最初は思っていた。
が、これは大きな間違いかもしれないと疑いはじめる。
海上釣り堀における腕の善し悪しとは
海上釣堀における腕の良し悪しとは、タナのセッティングや餌のチョイス、掛けてからの取り込みの早さ、次の投入の手返しの早さなのだと思っていたが
実際はもっと違う角度の技術が必要なのではないかと後半に気付き始めた。
それが釣り座の選び方、立ち回り。
釣堀に到着する前に、同行者から「釣り座によって全然釣果が違う」と聞かされており
私は「あんなちっさいイケスで釣果の差なんか出るか・・・?どこでやっても同じやろ・・・。そら多少は差出るかも知らんけど、大差はつかへんて・・・。」と思っていた。
これは私が普段から波止釣りをしているからこその思考だったに違いない。
波止の魚とは見た目が同じでも、もはや別の性格。
実際に釣堀で実釣してみると、目の前に魚はたくさん居るのに刺し餌には殆ど興味を示さない。
なぜだろうかと考えたらすぐに理解することが出来た。
「スレ切っていることと、さほど空腹ではない」この2点。
波止で釣れる魚が刺し餌に食いつくときの行動原理はほぼ99%「空腹や空腹になる前の捕食、生きるために必要な行動」にあると思われる。
一部、タコ釣りなんかのナワバリ荒らしの釣りもあるが、基本的に釣りというのは食い気のある魚に餌を喰わせて針を掛けるものだ。
が、釣堀の場合はそうではなく
日常的に多数の人間が餌を投入し、釣り堀屋が日常的に餌付けし、養殖なのでそもそも生まれた時から餌には困ったことがない個体ばかり。野良の魚に比べて餌に執着心が全然ない。
次に、日常的に釣り客からの仕掛け投入のストレス、プレッシャーを受けている為、どれが食っていいもので悪いものか、かなり高精度に理解出来ているように感じる。
それでも食い気のある日なんかは十分食ってくるそうだが、この日のように食い気の薄い日は餌を付けて投入しとけば釣れるという類のものではないらしい。
私が気付いた海上釣り堀の魚の性格
で、私がこの日辿り着いた一定の解答としては
「食い気が無い日は刺し餌を全然喰わない。たまたま目の前に落ちてきて、食っていいと思える餌で、且つ食ってやっても構わないぐらいのイヤイヤ食いでかマグレの反射食いでチョロっと口を使って一口吸い込んだらあとはペッっと吐く。そんなクソみたいな個体ばかりがこのイケスに入ってんだな」と。
もちろんタナや餌のチョイスも重要だとは思われるが、この日はあまり意味がなかったように感じられた。
根拠としては釣れる度に常連同士で餌やタナの情報交換をしているが、常連同士でそれをマネしても全く続かない。タナや餌で食う喰わないが決まるのであればそこで連発しているはず。連発はほぼ見られなかったことから、常識的な範囲でチョイスしている限り、タナや餌はほぼ意味のないものだっただろう。
また、スレ切っているという判断の根拠としては、反応の薄いこんな日でも放流直後の個体は割と早く釣れてしまっており、放流されたばかりのピュアでウブなやつらは刺し餌でも、普段食ってる餌と間違えて食っちゃって釣られるんだなと。で、運良く釣られなかったり、警戒心が強い個体が残ってどんどんスレてくんだろーなと。
海上釣堀初心者だけど、タナ、餌のチョイスの意味の薄さ、スレ切ってる個体ばっかの考察はほぼ間違えていないように思われる。
では、どうすれば釣れない日の海上釣り堀で釣れるの?
で、「じゃあどうするのよ」って所で、この項目の最初に言った「釣り座」に戻ってくる。
こんな食い気の薄い日でもポロポロ釣れていた釣り座はいずれも四隅付近。
なんだかんだで隅っこのほうは魚影が濃くなりがちで、食い気が薄いものの目の前に餌を落としてやることで、嫌々食いだったり反射食いを誘発させているのだろう。
しかも常連客達はその四隅を自由自在に動き回り釣り回っている。
うーん。同行者がしきりに「場所や」「釣り座や」と言っていた意味がここでやっと繋がった。
ある程度答えが出たものの、「釣れる釣り座の立ち回り」は本来私の考える釣りの技術とは全く違うベクトルの技術なので、理解すればするほど微妙な気分になる。
「しっかりアジャストさせたら場所はそんなに関係ないでしょ」の波止釣りとは一線を画するものだ。。。。
うーーーん。今回の釣果自体が貧果ではあったので、そのうちリベンジしたいなとは思うが、釣り座が云々とか個人的にしょーもなさすぎるので、釣り座とか関係なしにある程度勝負の出来る日でやってみたい・・・・。
立ち回りの技術が海上釣り堀における技術の一つなのだろうけど。。。。うーん。
とは言え
釣座以外の部分ではまだまだわからない事も多く、コツを掴んだとか要領を得たという感触も全くないのでそのうちリベンジしたいなという気持ちも少なからずあります・・・・。
あ、ちなみに、今回の考察についてはこの日のこの釣り堀だけの話なので、他の釣り堀はどうだか知りませんので悪しからず(^^)