この日は念願だった船からのカワハギ釣りに初挑戦。
昨年から船でのカワハギ釣りはやってみたいなと思っていたものの、やりたいな思った時期が遅く、次シーズンこそは!と考えていたことが実現。
カワハギ自体はほとんど年中釣れる魚ではあるものの、この時期特有の「肝パン」と呼ばれる肝パンパンのカワハギが釣りたかった。
人生も中年と呼ばれる頃に差し掛かかり色んなものを口にしてきているが、その中でも「肝パンカワハギ」の肝を用いた料理は現存する食品の中で最も美味ではないかと思う。
もちろん釣らずに市場で買っても良いのだけどカワハギってやつは一般的な魚種でありながら意外とキロ単価の高い魚。
肝パンを腹いっぱい食べてやろうと思ったらそれこそ何回か釣行出来るぐらいの金額になってしまう。
釣りで楽しみつつ、さらに肝パンも腹いっぱい食べたい。そんなわがままな欲望が詰まった船カワハギ釣行記。
和歌山・加太の超有名船「三邦丸」
今回の船カワハギ釣行においては釣り友のF氏と共に。
私、F氏共通の知人のツテにより和歌山は加太の超有名船「三邦丸」を紹介してもらい、予約の段取りも代行していただき感謝感激。
一般的な船宿とは頭二つ三つは抜けている規模の三邦丸受付店舗。
この店舗を見るだけで人気ぶりが十分にうかがえる。
店内はこれもまた一般的な船宿では考えられないほど小奇麗なスペースを有しており初心者やファミリー、女性でも安心して利用できそうな雰囲気。
今回のカワハギ専門便では朝9時頃に釣座の抽選が行われ、受付時に引いた抽選番号順に好きな釣座を選択することが出来た。
釣座の抽選にあたってはF氏が番号をひいてF氏まかせ。二人共何もわからないのでどちらがやっても同じこと。
釣座の良し悪しもわからないということでF氏が選択した釣座は「おまかせ」。
なるほど。わからないからこそ船宿に任せる選択はアリだなと。
おまかせで選ばれた釣座は41-38。船長からよく見える位置で、「胴の間」と呼ばれる船のちょうど中間あたりの釣座。船釣りにおいて初心者が一番ふさわしい釣座と言える。
また、船の最大定員は50席となっており、船の規模も規格外。
船が大きいことで安定感も通常の遊漁船とは比べ物にならないほど快適で、今回の釣行では「こりゃよっぽど海が荒れん限りは船酔いないな・・・」と感じた。
9時に抽選を終えた釣り客一同は一斉に船へ移動。
こちらが今回の船、緑三邦。
和歌山紀北周辺で船釣りする人は確実に目にしたことのある船だろう。
私もジギングで紀北へ訪れる時はほぼほぼ毎回必ず見かける。
「でけー船だしめっちゃ人乗ってんなぁ」と毎回思ってた船に自分が乗ることになるとはある意味感慨深い。
出船場所へは受付から徒歩1分。漁協を横切ってすぐ。
船宿と漁業が共存しており、まさに港町そのもの。景色も空気も海が主役。
今回はあえてのレンタルロッドでカワハギ釣りに挑戦
初であり念願の船カワハギ釣りで、腹いっぱい肝パンカワハギが食べたいというのが一番の目標であるが、今回はもう一つ裏テーマを用意していた。
「何もわからないド素人がふらっと行って貸竿使って釣れるのか?」が裏テーマ。
初挑戦モノであれば私の性格上、色んな情報を何時間もかけて調べあげ少なくとも事前の準備だけは上級者並にそろえていくのが常であるものの、今回はあえて最低限の準備と情報収集、貸竿と仕掛けは船宿オリジナルで挑戦してみることに。
で貸していただいた貸竿と貸しリールはカワハギ専用ではなく船餌釣り五目竿みたいなセッティング。
竿もリールも重いし、一般的なイメージだとカワハギ竿とは超繊細、超軽量でステータスは感度に極振りといったイメージだが、貸竿はそのイメージとは程遠い。
巻いてあるPEラインも2号のようだった。
仕掛けは胴付き仕掛けと呼ばれるオモリが一番下についた一般的なモノ。
三邦丸では使用するオモリは30号固定となっており、それ以外の重さは使用不可とのことだったのではじめての方はご注意を。
使用する針は以下のもの。
創業者の三邦氏オリジナルのカワハギ仕掛けのようだ。1セット2本入で410円。
さてどれほどの効果をもたらしてくれるのか?
三邦丸のカワハギ専門便では餌も用意されていて、青虫が提供されている。
船カワハギ釣りでは一般的なアサリは持ち込んでいくか、当日に受付店舗で購入することも可能。
9時半、三邦丸カワハギ専門便 出船
釣り客の移動も準備も完了した9時半に出船。
一般的に船宿を利用した餌釣り船では午前便や午後便などとわかれるが
今回は「カワハギ専門便」と呼ばれるほぼ1日コースを選択。
朝9時半頃出船し、ポイントまでは15分程度。
そしてそのまま釣りをして午後16時過ぎ頃に納竿という流れ。
朝も早くないし、夕方も遅くないということで普段の釣りと比べると極めて楽。
さすが定員50名の巨大遊漁船というだけあって船内は広大。
レストスペースやトイレの数も一般的な遊漁船よりも遥かに快適な空間が用意されている。
ポイントに到着し、船カワハギ実釣開始
ポイントに到着するとすぐにチラホラとカワハギが釣り上がっている。
私とF氏も負けじと底をとってトントントントンと底を叩いて誘って誘ってみるも・・・。
エサ取り連発。
こいつらを上手くかわしつつ、カワハギだけを掛けていくのがコツのようだが、
そもそも初めてなのでどれがカワハギのアタリだかわからない。笑
アタリは全て掛けていってしまう為、食いにきた大半の餌取りを釣ってしまう。
それは釣り歴の浅いF氏よりも私のほうが深刻で、アタリがあれば「つい釣ってしまう」こととなり、F氏よりも魚だけはたくさん釣り上げるものの、本命はなかなか釣り上げることが出来ずに四苦八苦。
念願の肝パンカワハギ!!!
それでもなんとか、たまたまカワハギが掛かってカワイイサイズ1枚目。
サイズは小さいがお腹は大きく膨らんでいて肝はしっかり入ってるんだろうなぁ・・という魚体。
1年越しの願いが叶い、感慨もひとしお。
釣れた魚はバケツに放り込んでいき、各自でシメて持ち込みのクーラーに入れていく方式の様子。なのでナイフなどは必須の持ち物のようだ。
その後もある程度カワハギかそうでないかのアタリはわかるようになったものの、カワハギが居るゾーンには餌取りも多数居るようで結局向こうアワセで勝手に針掛かりしたりもする。
基本的には根の荒い場所を中心に探るようで、根魚もポロポロと釣れてしまう。
餌は用意してもらっていた虫エサではなく、当日に受付で購入したアサリを使用することが多かった。
カワハギは「エサ取り名人」とも呼ばれるだけあり、餌を器用につついて食べてしまう。アタリはわかるものの、その小さい口に針掛けするのは容易ではない。
なるほどなぁ、感度の高い竿が好まれるわけだ。
アタリを聞き分け、そしてカワハギのアタリはすかさず掛けていく。繊細で且つ軽量な竿がたしかに向いているだろう。
次回挑戦する折にはそんなイメージの竿を用意してみたい。今回のレンタル竿とどの程度感覚が違ってくるのか、釣果が変わってくるのか?楽しみが一つ増えた。
朝イチはアタリ多数だったものの昼前後には潮も大きく動いてしまい30号のオモリではなかなか上手く底を叩いてくることが出来ず船内も失速気味だったものの、納竿時間の16時過ぎには竿頭で26枚だったそうだ。
初挑戦で、今回のカワハギ専門便で唯一貸し竿組の私とF氏でも意外と釣れた。
16時半前に納竿とし、帰港。
初の船カワハギ釣りin三邦丸。あえての貸竿で挑戦してみて
唯一の貸し竿組である私達よりも釣果が振るわなかった人も多数(半分ぐらい?)おり、「必ずしも専用タックルが有利」というわけでもなさそうなこともわかった。
私、F氏共にもちろんある程度の釣りに対する基本の知識は持ち合わせてはいるものの、船カワハギ釣りは初挑戦でド素人。私に至っては最後まで何もわからなかったも同然で、「釣った」というより全て「釣れた」という形だった。
それでも普通ぐらいの釣果は出てしまうので「肝パンカワハギ腹いっぱい食いてえなぁ~。でもやったことないし教えてくれる人もおらんし」などとお考えの方でも全然問題ない。
是非船カワハギ釣りに挑戦してみてもらいたいなと思います(^^)
個人的にはかなり面白い釣りだったので近いうちに準備を整えてすぐに再挑戦したいなという温度感。
通うには少々遠いのがネックではあるものの、季節は1~2ヶ月限定のモノなのである程度比重を大きくしても良いかもなどと検討中。