真夏は暑くて釣りにならないので基本的には釣りをしない私。
それでも今年はアディショナルタイムと称して岸タコなんかに手を出してみたものの午前7時頃には耐えられなくなってしまい納竿するので、たった「2時間程度の釣りの為に早起きするのも色々と割に合わないな・・」と感じ、結局岸タコ釣りはハイシーズンになる前に終戦。
普段はあまり気にしていなかったものの、釣り専門テレビ番組を見ているとこの時期に頻繁に放送されるのが「イカメタル」なる釣り。
船で沖に出て鉛スッテと呼ばれる疑似餌兼オモリとドロッパーと呼ばれる疑似餌を組み合わせてケンサキイカ(和歌山方面名アカイカ)を狙う釣り。
良い日だと竿頭の人で100杯超え、初心者でも良い日に当たれば20杯以上が釣れるという。
しかも夜釣り。
そんなに釣れるなら一度やってみたい。
と思って一念発起。真夏でも釣りが出来る!
今回もサクっと釣り道具一式を揃えて釣り船を予約。
同行者は釣り堀などで一緒に行くことの多いF氏。
イカメタルを始めるにあたって
今回は相手が魚でないことや全くやったことのない釣りなのでいつも以上に事前の知識武装を入念に行った。
まずは釣り専門番組のイカメタルはきちんと観て、YouTubeで検索し片っ端から動画視聴。
テレビや動画でわからなかった部分はブログなどの文字媒体で補い、釣具店でイカメタルのエキスパートを直撃してさらに細かい疑問やアイテムの選択についてアドバイスをもらうことに成功。
また、今回の同行者F氏のツテでエキスパートからは釣り船も紹介していただき、万全の態勢で初挑戦となった。
なぜならイカメタルは基本的に和歌山沖か福井~鳥取あたりの日本海側での出船となるので、大阪在住の私としては一回の釣行費用が割高になる。
いつものように通いながら練度を高めていこうというやり方だとコストがかかって仕方がないので、いつも以上に入念な事前準備を行った。
イカメタルで今回使用するロッドとリール
今回のイカメタル釣行で使用するタックル
リールはSHIMANOバルケッタ301HG
イカメタルをするだけなら200番台で良いけど、他の釣りでも流用する可能性などを考えて300番台を使用。また、ロッド操作がキモになる釣りなので利き手で竿操作する為左ハンドルのリールを選択。
ロッドはSHIMANOセフィア エクスチューンB605L-GS イカメタルを使用。
最大の特徴としては穂先にグラスソリッドを採用していること。通常の穂先では捕らえられない繊細なアタリも出るが、アタリの出方はスローになるというか逆にわかりにくくなる場合もあるようで、毒にも薬にもなる。
また、穂先がやわらかすぎる為、使えるスッテの幅も狭まる。
正直、私にはちょっと違ったかなという感じ。使ってみないことにはわかんないのでしょうがない。笑
ロッドに関しては(最近SHIMANO不信なので)当初DAIWAにしようかと考えていたが聞く人聞く人みんなSHIMANOのセフィアエクスチューンが良いって言うもんだから当機種にしちゃった次第。
イカメタル釣行当日 和歌山へはかなり早めに出発
夏の海水浴シーズンとも重なっており、大阪方面からはかなり混雑している可能性がある為かなり1時間以上早めに出発。
今回の出船場所は和歌山の田辺という地域で、有名な白浜海岸ともほど近い。
交通集中の可能性を予見していたけれども昼過ぎに出発だった為海水浴客の交通集中とはあまりかぶらずそれなりに混んではいたものの、出船場所の近くまで早めに到着することが出来た。
時間も余ったので近隣スポットでは有名なとれとれ市場でF氏と共に遅めの昼食。
市場とは名がつくものの、基本的には海産物メインの道の駅といった感じ。
別に魚が激安ってわけでもないが、種類だけは豊富にあるので見ていて飽きない。
もうすぐゴングが鳴るであろうタチウオ釣りの予備調査として価格なんかもチラ見。
1番大きな指6本サイズ、推定120センチのドラゴンタチウオで3,800円の値付けがされていた。やっぱタチウオはなかなかの高級魚であると再認識させられる。
武庫一あたりじゃこのサイズは1%未満ぐらいの確率でしか釣れない。まぁ船に乗っても1~2%ぐらい。
また、本日メインで狙う予定のアカイカの価格も調査。
和歌山周辺でのアベレージサイズが一盛り800円。一杯あたり200円しない程度。
乗船料金の12,000円や諸経費を含めた元を取ろうと思ったら100杯の釣果が必要となる。
これはほぼ不可能な水準と思われる。笑
出船場所のコンビニで飲み物などを仕入れ。すっかり日はかげってきており、のどかな風景に夕暮れが彩りを添えている。
今回お世話になる船宿は和歌山のサウスカレントさん
今回のイカメタル釣行にあたっては紹介していただいた和歌山田辺から出船のサウスカレントさん。数艇の船が準備されていて時期によって様々な釣り物を狙うことが可能なようだ。
この時期はイカメタル便がメインとのこと。
今回の出船時間は18時半~0時頃までの予定。
当初は18時出船予定だったもののここ数日は早い時間があまり調子が良くないらしく30分遅くしての出船となった。
この日は天気も良く、昼間は日本各地で40度に届きそうな酷暑の1日となった。
和歌山の夕暮れも湿気と暑さの残る雰囲気。
ポイントへは30分程度で到着するものの、少し強めに風が残っており波は少し高め。
曳き波で若干の潮をかぶりつつもポイントを目指す。
風に湿気と塩気が混じって非常に不快指数が高い。一刻も早くシャワーを浴びたいほどだった。
それでもこの真夏に釣りの出来る喜びにはかえられない。
イカメタル 実釣開始
ポイントに到着して程なくした頃には船の灯りが点灯。漁火などと粋な言い方したりもするようだ。
動画などで事前にある程度イメージしてきているものの、見るとやるでは大違いで、何がなんやらわからないのでとりあえずエキスパートの方たちに選んでもらったドロッパーと鉛スッテを選択。
サウスカレントさんオリジナルの鉛スッテ「サウスッテ」
周辺海域にアジャストしていると思われるので基本的には今回のメイン。
また、今回は予約時に船長に何号の鉛スッテを用意していくのが良いか?と指示を仰いだところ「15~25号で」との指示だったので15号をメインにその前後に1~2個ずつ用意するという態勢で臨んだ。
リーダーのリーダーには釣具店スタッフでイカメタルエキスパートのおすすめ、エステルを使用。
リーダーにはフロロカーボンの2号を使用。
釣りを開始してすぐには誰も釣れなかったものの、少し経ったころには後ろで釣りをしていた常連客の方に一杯目がヒット。
「まだこっちはイカメタルのイの字もわからんわ・・・」と思っていると穂先に違和感。
軽く聞き合わせてみると・・・・
乗ったぁ~!
水深は50メートル程度。鉛スッテは15号を使用。
ゆっくり巻き上げてくると・・・・スルメイカ。
イカはエビ撒き釣りの外道や、タチウオ釣りの外道で何回か釣ったことがあるのみで、イカ狙いでは初めて。船中で2匹目のイカを釣ることが出来た。
時刻は21時を回り、いよいよラッシュ・・・?
時刻が過ぎるにつれ、あたる棚もどんどんと上昇。手返しが早くなることで船中の釣れるスピードも少しずつUP。
さすがに常連客には劣るものの、それなりにポツポツと拾える。
しかしながらやはり常連客との差は(当たり前だけど)埋まることはなく差がつけられる一方。
ここは釣りをする時間を多少捨ててでも上手い人に習ったほうが良いなと考え一時中断し常連客の釣りを真横で見学。
この日はF氏と私以外に3人の釣り客が同船しておりその3人とも常連のようで全員が船長も認める上手い人だそうだ。しかも全員人が良い。
活性が高い低いなどのソフト的な要因はともかく、船や人などのハード的な要因としてはかなり恵まれた日に当たることが出来た。
常連客の方に丁寧に釣り方を教わって再度釣り座へ戻って挑戦
教わったやり方をひたすら。
テレビや動画ではシャクってフワ~っとフォールみたいな釣り方が大半で、エギング的なイメージも頭にあったので誘って誘ってナンボなのかなぁというイメージだったものの実際にはそういうものではなくしっかりとステイさせることが重要とのことだった。
もちろん日によってはフォールが重要だったりシャクりが重要だったりするそうだけども、まずとにかくステイ。
これが丁寧に出来ているかどうかで相当差がついてしまっている様子だった。
強く意識してやってみるとアタリがあからさまに増え、釣れる棚も当初の30メートル前後ぐらいからいよいよ10メートル以内までに浮上。
また、合わせの強さも強すぎた為か、これまでは身切れ連発だったものの「ちょっと合わせてやるだけで十分乗る」とのアドバイスをいただき身切れも格段に減った。
まだ常連客との差は埋まらないもののこれまでよりは釣れるスピードが格段にUP
やはりなんの釣りにしても上手い人の模倣をすることで色んな階段を一気にすっとばせる。
理論や引き出しは後付。とにかく数を釣らないと上手くならない。
しかし、聞いてた話とちょっと違う~
どんどんタナが上がってきたことで使用する鉛スッテの号数も変化。
最初は深かったので15号で良かったものの12号、10号がアジャストしやすい重さになってきてしまった。
しかしながら当初に聞いていた指示では「15~25号」とのことだったので12号なんてF氏と各1個しかないし10号なんかそもそも持ってきていない。
「なんやねんそれ~・・・聞いてないわぁ・・・」とテンション下がり気味。
少しコツを掴みかけていたものの急失速。
F氏と共に長い時間アタリが遠のいてしまう。
そこへ船長が来て「良かったら使ってください」と10号の鉛スッテを貸してくれた。どうもありがとうございます。
10メートル前後の浅タナで10号の鉛スッテとなり少しだけスピードアップ。
グラスソリッドの繊細な穂先を利用し強いシェイクも弱いシェイクも自在。
経験値が低い為、効いてるんだか効いてないんだかいまいちよくわからないけど。笑
で、グラスソリッドな竿を私が使用していることに気づいた船長がさらに軽いスッテを貸してくれた。
5号。笑
「その穂先やったら十分に扱えますわ~」とのことだったので早速使用してみたが、まぁまぁ簡単に潮に流されてしまいアタリは増やしやすそうだったものの、そのアタリを取ることがかなり難しく、1杯だけ釣らせていただいて10号の鉛スッテにチェンジ。笑
もちろん仕掛けは軽くて自然なほうが釣果につながりやすいのは何の釣りでも往々にしてよくあることだけれども、扱う人の腕が伴っていなければ逆効果になり得る。
身の丈をわきまえて10号でやりきることに。
なんとか二桁には・・・・
3~4時間ほど経過した頃には二桁にはなんとかといった感じ。
そのまま上がったり下がったりのタナを10号の鉛スッテでやりきって終盤の1時間ぐらいにはかなりコツをつかめてきており、時速では他の常連客にもそう遅れを取ることがなくなっていた。
0時前に「最後に誰か一杯釣ったら終了しまーす」との船長アナウンス。
シメの一杯は譲れねえ!!!
とこの日最大集中してやるも・・・・隣のF氏がアッサリとヒット。
「あ~やられた」と思った瞬間穂先が大きく締め込まれ、スっと合わせてF氏とダブルヒットで終了。
イカメタル初挑戦。最終釣果。
船中竿頭は40杯に届かない程度で、私23杯。F氏17杯。
同船者はみんな良い人ばかりなので「今日のコンディションで初めてにしてはよく釣ったほうやで!」と皆さん褒めてくださった。
竿頭が100杯を超えるような良い日ははじめての人でも50杯とか釣れてしまうらしい。
そんな日に当たりたかったが今年の和歌山は結構な日ムラ具合だそうで、先週なんかは常連客でも二桁に届かない日があったぐらい。まだマシな日ではあったのかなぁ。
と言っても、イカ何十杯も自宅に保存なんて容易ではないので普通に考えたら食料としては十分ではある。
帰船中に常連客の方にイカの処理方法を尋ねたところ、イカは洗わずに何もせずとにかくジップロック的なものに詰めて冷凍して食べる時に処理すると教えてもらい、自宅に戻ってからは数匹ずつを小分けにして冷凍庫へIN。
処理がめちゃくちゃ楽だし、魚に比べて匂いも少ない。
釣って楽しい食って美味い処理も楽なんてそりゃ人気も出るわけだわ。
次回も機会があればやりたいなとは思うものの、いかんせん気軽に行ける距離でもないし交通費などのコストもかかることから一人では通いにくいなぁ・・・。
今回の使用タックル
ロッド:SHIMANO セフィア エクスチューン メタルスッテ B605L-GS
リール:SHIMANO バルケッタ301HG
道糸:DAIWA UVF メガセンサー 8ブレイド+Si 0.6号 200m
リーダー:サンライン イカメタル リーダー SV-1 エステル
鉛スッテ:サウスッテなど 10~15号
ドロッパー:DUEL EZ-SLIM 80mm