今回はハネやチヌを対象としたエビ撒き釣りにおける、私の仕掛けを公開しつつ、それを元にバランスについて考察などをまとめます。
それらを組み合わせてどういう狙いがあるの?考えがあるの?の解説。
それなりにエビ撒きハネ釣りをやりこんだ方にも参考になる部分や意外と見落としていた点があるかもしれませんので是非気楽に読み進めてください(^^)
仕掛けのバランスと一口に言いましても無限にありますし、場所によってさらに条件が分岐してしまうのでここでは大阪湾における護岸整備済の普通の波止を想定した私なりのバランス構成考察を解説したいと思います。
前提の条件が無いと「なんでそうなってるの?」が説明しにくいですからね。
想定する波止は大阪湾の波止ですが、全国どこへ行っても護岸整備された波止ならそう大して差はないので十分参考にはなると思います(^^)
1記事にまとめようかと思いましたが思いのほか長くなりましたので2編にわけてお送りします。
エビ撒きハネ釣りで私がよく使う仕掛け
下図が私の普段の仕掛け図になります。本邦初公開(^^)
竿は1~1.5号の磯竿(胴調子のもの)がほとんどでたまに2号。
リールは2500番のレバー付きスピニングリールです。
普通です。
ある程度やりこんでる方から見たら何も変わったところは無いと思います。
何もわからずエビ撒きハネ釣りして全然釣れなかった方も、とりあえずこの仕掛け図と同じにするだけで、釣果の出てる釣り場なら普通にポツポツ釣れるようになると思います(^_^;)
とは言え、何もわからずただ真似するだけより、ある程度理解した上で真似したほうが上達も格段に早いので時間がある方はこのまま読み進めてください(^^)
仕掛け図を見て、多少自分流だなーと思うところはウキ止めゴムだけじゃ見にくいのでウキ止め糸を併用しているぐらいですね。ま、これもやってる人は普通にやってることでしょう。
人によってはウキ止め糸を2つ使ったりしてますね。止める用、見る用に分けたり、ウキ止め糸がずれないようにって意味で2つ使う人などなど。
私自身それはそれは色んな仕掛けバランスを試しましたが結局普通の感じに落ち着きました。なんの変哲もない仕掛けに見えますが一つ一つ理由があってこだわりを持って使っているので、一つ一つ掘り下げて解説していきます。
上から順に
- ウキ止め糸、ウキ止めゴム
- 棒ウキ
- ウキ用スイベル
- からまん棒
- スイベル付オモリ
- ハリス
- ジンタン
- 針
のラインナップになっています。これ以外に何か使用することは殆どありません。
ウキ止め糸、ウキ止めゴム
ウキのタナを設定する目的だけであれば、別にウキ止め糸で構いませんが、留め方によっては簡単にずれてしまったり、キツく締めると全然動かなかったり、使ってるうちに色落ちしたりと意図しない不具合が出る事が多いのでウキ止めゴムを使用しています。これも製品誤差により緩い物あったりしますけどね。笑
ゴムも時にはゆるんでくるので、道糸3号に対して、2号用のウキ止めゴムを使用しキツ目に留めています。
私の場合はゴムだけだと見えないので目印代わりにウキ止め糸を付けています。目印代わりなのでゆる目に留めて、色落ちしたりしたら付け替えています。
棒ウキ
私の場合は細めの棒ウキを使用します。エビ撒きハネ釣りの最大の醍醐味である前アタリ~本アタリまでの生命感溢れる風情のあるアタリを見たいからです(^^)
そこに興味が無い方は円錐ウキ(球状のウキ)でもなんでも良いです。
ウキの負荷は年間を通して0.8号程度を使用することが多いですね。0.8号ってあんまり市販されていないので市販品の1号なんかでも別に良いかなと思います。
なんで0.8号なの?を完全に解説するとそれだけで1記事になるぐらいのボリュームになるんで需要があればいつかまとめますが、主な目的をざっくり言うと、軽い負荷のウキのほうが単純に感度が良いが、狙いと妥協のギリギリを探ったら0.8だったという結論です。
勘の良い方は「じゃあ0.5とか0.3とかのウキにしたらもっと良いやん」という思考に及ぶわけですが、私もそう思った時代があり、0.3まで試したことがあります。
しかし0.5とか0.3じゃオモリが軽くて仕掛けの沈下速度が遅く、仕掛けが馴染むまで時間がかかる上にオモリとウキ自体が軽いので潮や風がちょっと動いただけで全然仕掛けが馴染まないです。笑
あと、足元を釣るような波止なら良いんですが、竿数本ほど先の距離に海底の駆け上がりがあったりして、そこを狙って釣るような波止では、仕掛け自体が軽すぎて仕掛けをそこまで投げることが出来ずかなり苦労します。飛ばそうとして強めに仕掛けを振ると餌のエビだけどこかへ飛んでいったりしますしね。
仕掛けが馴染むんだったら別に軽い負荷のウキとオモリで大丈夫です。むしろそのほうが感度良いですね。
そういった理由で仕掛けの馴染みや沈下速度、飛距離を考えて攻守に優れた0.8号を愛用しています(^^)
ウキについて注意が一つ
ここで一つ注意。市販品のウキ全般に言えることですがウキ浮力が少しマージン(余裕)とってある事が多いです。
具体的に言うと、市販品のウキの中には、1号と記載されているのに1.5号のオモリでも使えてしまったりするものがたくさんあります。
これは1号のウキに1号のオモリでベストな浮力設定になるように商品を作っちゃうと誤差によってはウキが沈んでいっちゃう不良品化の可能性をメーカー側が考慮(苦慮)した結果かと思われます。
そりゃそうですね。塩分濃度によって浮力は変わりますし、水温によっても変わるようです。さらに海中の潮流によって仕掛けが引っ張られたり浮いたりします。
それぞれの地域の海に完全適応させることは不可能なので、そういった余分な浮力が残っているわけですね。
また、誤差はどんな工業製品にもあり得るものなのでしょうがないのですが、ウキによっては誤差どころではないほど浮力が余っているものが見られます。
購入されたウキのベストな浮力(これ以上オモリを何か足したら沈む)を必ず現場で確認するようにしましょう。
ウキ用スイベル
ウキの足につけるスイベルです。私の場合はFujiから出ているsicスーパーラインスベルを使用しています。スイベルではなくスベルという商品名です。笑
楕円リングにsicを使用しており糸通りが大変スムーズで、仕掛けが馴染むまでの時間を数秒短縮してくれます。
値段はクソ高いですがほぼ失くさないものだし、とても頑丈に作られていて、かなり長く使うことが出来ます。釣りが終わったらエビクーラー内に残った真水ですすげばOKです。
この楕円リングは糸がギリギリ通る程度の大きさなのでウキ止めゴムでも十分止まります(^^)
ウキ用スイベルを使用せずにウキの管に直接道糸を通してシモリ玉でウキを止める方も多いようですが、シモリ玉だとこのウキ用スイベルよりも摩擦抵抗が大きく、樹脂製の大きい玉なので余計な浮力を足してしまったり、意図せず潮受けしてしまったりするのでエビ撒きハネ釣りにおいてはあまり使わないほうが良いかなと思います。
ただし、シモリ玉自体の視認性は良いので、それが目的でどうしても外せないという方は別にそれでも良いです。
ちなみにこのウキ用スイベルを付けてしまうと、ウキと道糸に連結部分が一つ増えてしまうことになるので、シモリ玉を使用したウキの直接取り付けよりも、ウキと道糸が糸絡みして仕掛けがおちていかないトラブルは増えやすいのでその点は注意してください。
しっかりと仕掛けが真っ直ぐになるように投げれば基本的には絡みませんが、仕掛けが真っ直ぐに飛ぶように投げられないうちはご注意を(^^)
からまん棒
ウキとオモリの間に取り付けて、ウキとオモリを絡みにくくさせる道具です。
普通に市販のものを使う方のほうが多いようですが、ゴム管に爪楊枝刺したりする方もいるようです。無くても釣りはできますが、無いとウキとオモリが意外と絡みます。
私の場合は視認性の高いオレンジとかイエローのゴムを使用しています。ゴムを止める棒は止まればなんでも良いです。売ってるもので結構です。ゴムの耐久性には結構差があり、大して値段の高いものではないので耐久性の良さそうなゴムを選びましょう(^^)
ここの視認性を良くすることで、前述のウキ用スイベルの時点で糸絡みしていて「仕掛けが落ちていっていない」が容易にわかるようになるので、視認性の良いものを選びましょう。
オモリ
私の場合はスイベル付オモリを使用していますが、別に中通しオモリなんかでも構いません。
スイベル付オモリのほうが準備が楽だと個人的に思うからこちらを使用しています。
中通しオモリのほうがオモリの位置を調整することが出来たりするので、仕掛けのバランスという視点では優れていると言えると思います。
中通しオモリを使う場合の注意としては、道糸にオモリを通して使用する際に、必ず道糸とハリスを繋ぐサルカンの結び目に直接オモリが当たらないように、何かゴム管などを噛ませてください。
結び目にオモリが直接あたると結節強度が著しく低下する恐れがあります。そういうことを考えたりするのが面倒な私のような人はスイベル付オモリを使用してください。笑
ここで一つ注意したいのは、オモリは1号なら1号、2号なら2号で業界統一基準の重さがありますが、各社微妙に重さが違うので色んなオモリを試す時は注意してください。
私の場合はいつもと別メーカーのオモリを使用する場合は必ずキッチンスケールを使用し0コンマ以下の重さや誤差を確認します。
ハリス
ハリスの項については1記事出来るぐらい解説が必要なんですが、ちょっとマニアックすぎる気がするので需要があればということで、そこまで深く掘り下げません。
変に知識入れると逆効果になることもありますからね(^_^;)
私の場合はハリスはフロロカーボンの2-3号を使用しています。どこの釣具屋行っても波止の釣りでハリスと言えば殆どがフロロカーボンかと思います。
太さについては障害物が近い場合や、大物の可能性が高い場合なんかは2.5号を使用することもあります。どうしても今日は1枚釣らねばならないという場面は逆に1.75や1.5号を使用します。普段は2号です。
ハリス用として販売されているフロロカーボン以外でもショックリーダー用や道糸用のフロロカーボンでも代用が効きます。
ハリス用は純度も精度も高く、魚に近い場所からこだわる方はハリス用として販売されているものを使用してください(^^)
ちなみにハリス用フロロカーボンは価格が高いので私は初心者時代ずっと普通の道糸用のフロロカーボンをハリスとして使用していました(^^)
ハリスについてはまだ色々研究の余地があると考え、どれか一つのメーカーやブランドにこだわらず50mで1000円以下のものから2000円級のハリスまで使っています。
安いものだとサンラインスーパートルネード、高いものだとシーガーグランドマックスFX、中間なら東レトヨフロンやサンラインKONGあたりがどの釣具店でも比較的在庫がありオススメです。
私の場合は安物でもいけるんじゃないか?という考えをまだ捨てきれていない為、トルネードやトヨフロンを使用する確率は結構高いです。
実際高級ハリス使っててもハネ相手だと切れる時は簡単に切れます。
高価格帯ハリスを使用して大物を仮に釣ったとしても「このハリスだから獲れた」を検証するには同じ条件、同じ魚、同じ所に針掛けする必要があります。そんなこと不可能ですから。
ただ、ズレ強度を確認する方法はありまして、机の角なんかにハリスを押し当てて前後左右に擦らせてどの程度で切れたか?で確認は出来ます。
やってみたらわかりますが、ハリスについてはあんまり差は出ないです。笑
道糸は不思議と結構差がでますけどね。
でも普通のエビ撒きハネ釣りで道糸から切れることは自分の不注意ややり取りが上手くいかず障害物に潜られて切れる以外では殆どないので道糸の強度はそこまで気にするものでもないですね。
たまにハリスに色付きのものがありますが、こだわりの無い方以外は使わないほうが無難と思います。釣れなかった時にハリスに色ついてたからかなぁとか言い訳にしてしまいがちなので。
私も色付きのハリスは何回か使用したことがありますが、試してみた数回では特に釣果的には差を感じませんでした。
また、普通のグランドマックスやトルネードVハードなど、ハードタイプのハリのあるハリスもありますが、エビ撒きハネ釣りではハリのあるハリスよりも、先程紹介した4種のハリスのほうがしなやか(だと思う)なのでよく合います。
ハリスの長さ
ハリスの長さについてですが、ここは結構エビ撒きハネ釣りで論争になりがちな部分でありまして、矢引(片腕分)ぐらいが良いと言う人もいれば、2ヒロぐらいの長いハリスが良いとか、私みたいに1ヒロが良いと言う人でまるで意見がバラバラです。
エビ撒きハネ釣りの仕掛けの中でこれほど意見が割れる場所は無いのではないかという印象を受けます。
もちろん十把一絡げにどの長さが良いというわけではなく、各々きちんと理由があります。
それぞれの長さにおける仕掛けとのバランスを話はじめると本当にキリがないので需要と機会次第ということで、私が個人的に思う初心者にオススメの長さは80-90cmぐらいです。矢引分ぐらいですね。
ハリスが短いので馴染みも早いし、短いとは言えそれなりの長さは確保できているので十分かなというイメージです。
ハリスは値段も高いので短くて済むならそのほうが良いでしょうしね(^^)
ジンタン(ガン玉)
ジンタンの場合はJ、ガン玉の場合はGと表記されますがどちらも同じものとして扱われている事が多いようです。私はJ(ジンタン)と呼称して使用しています。
ガン玉の小さいのがジンタンという感じみたいですが、ややこしいし違いについては長くなるので触れませんが、ざっくり簡単に言うとガン玉はBとか2Bとかいう重さの表記で、ジンタンは1とか2とか3とかの表記です。たまにG1とかG2とかいう表記もありますが同じことです。J1だったらG1だと思ってもらって結構です。
で、ジンタンですが、私の場合は5を基準として、基本的には前後2サイズずつ用意しています。つまり3~7ですね。3よりも重いジンタンだとウキのトップがもう殆ど海中に沈んでしまうので使用しません。7よりも軽いジンタンなら付ける意味がほぼ無いと考え使用しません。
基準は5なんですが、仕掛けを用意する際に一番最初に付けるのは4が多いです。これは100%気分です。笑
「ぱっと見はわかんないけど海中は結構潮動いてたら重いジンタンに付け替えなきゃなー、付け替えんの面倒だから基準の5より重い4付けとこうか気休めだけど~」って感じです。そしてそのまま潮が動こうが動かまいが、やり切っちゃうことが殆どです。笑
ジンタンにも普通の鉛だけで出来ているものや、糸を挟む部分がラバーコーティングしてありハリスを痛めにくくなっているものがあります。私はオールラバーコーティングのガン次郎という商品を使用しています。
価格は割高ですがハリスに傷がつきにくいですし、コーティングしてあるので色がついており、海中でも目立ちにくそうな黒を使用しています。
あとはオールコーティングなのでオモリケースにありがちな鉛で黒く汚れて中に何が入っているかわからなくなるといった事にも悩まされません。
最初から割ってあるのですぐにハリスに取り付けることが可能な良品です。
ジンタンともなると挿餌にも近いのでなるべく目立たないほうが良いだろうと思ってそうしてます(^^)
針
針は【針編】エビ撒き釣りをこれから始める人向け。道具は何を揃えれば良いのか?【入門】で紹介した通りがまかつふかせグレの7号を使用することが多いです。ちなみにチヌ狙いなんかの時は5-6号を使用します。
針についての解説はそちらの記事を参考にしてください(^^)
以上、エビ撒き釣りで私の使用している仕掛けについての紹介でした!
今回の第一編では主に私の使用している仕掛けについての紹介でしたが第二編では、私は主に現在使用していないけども割と見かける仕掛けや道具について紹介していきたいと思います(^^)