鬼門の3月。
個人的に一年の中で一番丸坊主の危険性が高い時期。
一般的なイメージでは釣れない時期ってのは1月とか2月かもしれないけど、
1月・・・寒くはなったがまだ水温はギリギリ大丈夫。慣れた人なら魚も十分波止で釣れる。
2月・・・水温も低くなったが体力のあるヤツや餌を求めてギリギリのヤツが波止へ入ってきたりして慣れた人ならギリギリ釣れる。
3月・・・波止の水温は下がったまま回復せず、魚の体力もゼロ。日によっては魚がいても何をどうしても釣れない。ここから1ヶ月かけて徐々に水温、魚ともに回復していく。
こんなイメージ。3月は暖かい日が増えるので体感的には春っぽくて活性高まるんじゃないか!?と思ってしまいがちなのだけど、実際には海の中はまだ真冬。毎年3月には丸坊主を食らわされる。そりゃもちろん船に乗ったり海上釣り堀に行ったりすればそう簡単に坊主にはならんけどね。波止の場合ね。
ありがてえ。手形そうな波止をご案内いただいた
この日は元々「最近マイクロベイトの姿もちらほら見るし、そろそろムコイチあたりにでも行って小魚追い回してるハネを狙ってエビ撒き調査でもしにいって玉砕してくるかなー?」などと少々投げやりなプランを考えていた。
そういう時のハネ狙いエビ撒き釣りは結構弱い。意外と簡単にルアーに釣り負ける。なぜなら小魚がメインターゲットなときにはなぜかエビに反応が弱い。これがシーズンも進んでくると偏食するのか飽食するのか、小魚食いつつもエビにも反応するようになる。でも今じゃない。エビ撒き釣りでハネを狙うのならば今は確実に沖堤防などではなく湾奥のほうが手堅い。
そんなことを考えていたら釣り友のN田氏よりエビ撒き釣りのお誘いが。
場所は大阪大正区方面の湾奥。
このあたりは入り組んだ所に港が点在していて、かなり湾奥中の湾奥ともなる為、釣れる魚種も少なく普段はボラ天国だったりする。なので広さの割には釣り人も意外と少なく、一般人が侵入可能な場所で釣り禁止の場所もあんまり無い。
普段は割と沖向きで釣りすることの多い私にはあまり経験の無い場所だけど、なんせ鬼門の3月。こういう湾奥中の湾奥で溜まりながらジっとしてるハネチヌキビレを拾い釣りでもして凌がねば丸坊主を食らってしまう。N田氏のお誘いに諸手を挙げて便乗。
全然メジャースポットでもないので朝の6時過ぎ頃到着ぐらいのスケジュールでゆったり準備することが出来た。
とりあえず簡単に釣れる序盤
やったことの無い場所なので最初はN田氏に諸情報を聞きながらとりあえずスタート。タナとか仕掛けバランスみたいなのも同様に全体的にとりあえずで。
開始10分ぐらい?割と早々にN田氏1枚目。キビレ。
「お~、おるねおるね。」
キビレとは言え、サイズも40センチになって来れば引きの強さは面白いし、なんせ鬼門の3月。阪神間の波止から釣れる魚種なんてしれてるので贅沢は言えない。釣れるんであればなんでも良いと思う。
「ん~?俺のはタナかなんか合ってへんのかなぁ?」と半信半疑のままとりあえずのバランスでやり続けてみると・・・ウキがモゾっとした後にジワっと沈んで
6時半頃。1匹目。丸坊主はこれでなくなったぜ~
45センチ近くある立派なキビレ。ええサイズのやつが居る。こりゃ面白い。
タモ入れをしてふと横を見るとN田氏が2枚目のキビレをタモ入れ中。
どっからどう見ても潮の動きが緩慢な湾奥中の湾奥。人によっては”ドブ”と言われかねないような場所でも朝イチはなんだかんだ多少活性が高いみたい。
活性が高いのか?となれば、竿2~3本先のちょっと沖目を狙っていたけど、この垂直護岸が結構気になっていたので一度試してみることに。
竿2~3本先は多少駆け上がってはいるものの、そこまで大きな変化も無さそうなので護岸際のほうが魚釣れんじゃね?特にキビレとかは。と思ったので。
護岸のタイヤ下にキビレが張り付いてるに違いないだろうなぁ~と考え、仕掛けをそぉーっと持っていきステイ。
ウキがピコピコしてちょっと沈んだところで止まったので・・・
フッキング!!
7時頃。ちとサイズダウン。狙い通りの1枚。
経験上、際沿いのこういう魚種は1匹釣ると周りのやつが散るので場所を休ませるか、違う場所でやらないと連発は無い。
10~20Mほど離れた少し遠い所まで仕掛けを落としにいき、エビを上からパラパラ撒いて放置。
前触れもなくウキがすぅーっと沈んで・・・
連★発
したけど、「たのしぃ~♪」とか言って遊んでたらタモ入れバラシ。笑
前述の通り、この手の魚種は撒き餌に寄ってきても1枚釣ればサーっと散ってしまうのでそんなに連発しない。(夏とかのエサ取りもめちゃくちゃ居るような状況でチヌキビレの警戒心も薄いときはまた別ね)
朝から目の前に溜まってたであろうヤツらは一通り仕留めてしまったのかこの後はアタリが遠のいてしまう展開に。
ハネ、おるんか。釣り方見えてきたよ中盤戦
朝は簡単にポロポロと二人共釣れたけど1時間ほどアタリが遠のいてしまった。
沖目を狙ったり、休ませておいた護岸際に打ち込んでみたりするものの・・反応は帰ってこない。
「こりゃこの後は厳しい日になっちまうのですかねえ」みたいな会話を交えつつダラダラと護岸際を狙っているとN田氏が沖目で40センチ台ぐらいのハネをゲット。
「おおおハネ周ってきたか!」
ハネが周ってきたとなればなんとかなる気がする。4~50センチ台ぐらいのハネなら大体群れて動いていると思うのでまだあと何匹かいる。周りに釣り人は居ない。我々の撒き餌で十分に目の前で足止めしているハズ。
すると簡単にウキが消し込んで、、、待って待って遅合わせで・・・
8時半頃。ハネ1枚目ゲット。
ハネを釣ったことのない場所で釣るハネとは、なんと気持ちの良いことか。
「ここにも釣れるハネおるんやな!」的な感動。
どうも係留中の台船下から出てきているような観測なので台船近くに仕掛けを寄せてトライ。
係留ロープなどがあるのでキワキワまではなかなか攻められないのだけど我々二人しかいないので活性がある程度高いなら撒き餌で十分おびき寄せられるハズ。
「台船に近いほうのN田氏の仕掛けのほうが釣れやすそうやな~」とか思ってたけど予想を覆して台船から遠いほうの私の仕掛けにアタリ。
結構気持ちよくウキが消し込んだので早合わせで。
8時49分。ハネ2枚目。
悪くねえ・・・。悪くねぇよココ・・・。鬼門の3月でこのテンポで釣れるなら通う価値あるわ・・・。
同じように台船の近くで仕掛けを2つ並べていると・・・
また私のほうの仕掛けがモゾモゾピコピコ。なかなか消し込まない。
すると「横取りしてやる!」とN田氏ハイアピールの仕掛け操作をするとN田氏のウキがスゥーっと消し込み横取り成功?と思ったら私のウキも消し込んで・・・
ハネダブルヒットー!?
とか思ってたらタモ入れで、1匹のハネが私とN田氏の仕掛け両方を食っていたことが判明。笑
私の仕掛けは丸飲みされて、N田氏の仕掛けは口に掛かってたみたい。どちらの釣果ともカウントしにくいので二人共0.5匹でカウント。笑
海上釣り堀ではたまに見かける場面やけど、波止のエビ撒き釣りでは初めてのミラクル。こういう波止ならではの奇跡やなぁ・・・。
何度かやっているうちに「どうもそこまで台船近くにこだわらんでも良さそう?」という感じになってきたので普通に沖目で若干駆け上がってるラインを中心に展開。
8時54分。この日1匹目のチヌ。丸々超えててなかなかコンディションの良い個体。
キビレに比べると魚影は薄いもののチヌも居る。楽しい波止や。
9時過ぎ頃。もうだいたいココの釣り方わかってきた。
9時半過ぎ頃 もう釣り方は見えてきた。
溜まってるっちゃ溜まってるけど二人で釣りきれないほどストックされてるような場所でもない感じ。湾奥中の湾奥とは言えまぁまぁの広さがあるので結局いろんなところに分散しつつ、魚目線である程度のポイントごとを回遊しているのかなという雰囲気。
なのでそこまで連発もしない。そのかわり真面目にコツコツやってりゃポロポロと散発的に拾えるって感じ?かな?
N田氏退席のタイミングで。この日初の連発。
こいつの後はまたアタリが遠のいてしまう展開に。
アタリはポツポツあるものの、伸び悩む後半戦
また1時間ぐらいアタリが遠のいた。
基本的に潮の動きなどほとんど期待出来ない場所なので仕掛けは風に乗って少々流れる程度で何も考えずボケーっとしている時間帯が長い。
誘ったり、丁寧な仕掛け操作をしても効いているんだか効いていないんだかイマイチ再現性も薄い。
恐らくほぼ回遊任せ。イージーフィッシュの到来を待つ感じの場所なのかなぁ。
で、数匹釣ったら散っちゃって次のグループが周ってくるのを待ち、撒き餌で足止め、釣れるヤツを釣るの繰り返し。
11時前頃。「11時過ぎてからが意外とホットタイムなんですよ」と予言するN田氏の言葉を期待させるような1匹。
アタリが遠かったので貴重な1枚!
11時を周ってからN田氏の言う”ホットタイム”を期待し続けたがアタリは散発的。
しかもアタってもいわゆる”お触り”が多く、ウキがポンと沈む程度で待っても待っても本アタリまでは発展しない。
ポンで合わせてもほぼ乗らないだろうし、魚が散るから効率も悪くなる。ちょっとどうしようもない感じ。
N田氏も苦戦しているようで素針を何度かひかされている状況。
ずっと沖目ばっかりやってたので際にキビレ回復してねーかな?と思ってタナ調整。
ちょっと攻めてみるも・・・無反応。
ん~、際狙ってりゃ楽勝で数稼げる系なのかと思ったけどそうでもなさそう。
なんせ初場所なのでよくわからん。この日はそうなのか、いつもそうなのか。多少通わないとわからない部分。
ちなみにこの日は車で20分ほど離れた天狗堂でエビを購入。
現時点ではこの消費増税時代というのに税込み価格で販売されており、私ぐらいのエビ撒きフリークでも納得させるだけの個体の質、量。スバラシイです。オススメの餌屋です。
この日は最初に「12時頃納竿」と決めていたので残り時間はあと30分ほど。
終盤には両名のウキに反応が何度かあったものの合わせるに至るほどの本アタリは無く、「多分ですけどああいうアタリって化け物みたいなやつだったりしますよね~」と話しながら虎視眈々とスズキ級の出現を期待したが仕留めきれず。
しょうがない。。イチかバチかの早合わせして中途半端にバラシてしまうぐらいなら・・・ですね。
鬼門の3月は釣れる場所釣れる釣り釣れる魚で。最終釣果
最終釣果はハネ4.5匹、キビレ4匹、チヌ1匹。計9.5匹。
※写真は2名分
鬼門の3月にしては上々。出来すぎと言って差し支えない。
N田氏ぐらい経験のある人と二人でやると色んな取捨選択の判断が早くなったりヒントも多くなるので攻略も早い。
阪神間の3月の波止なんか毎回丸坊主になるかどうかの恐怖に震えながらの釣りになるけど、この日はそんな心配などなく手堅く楽しい釣りが展開出来た。満足満足。
非常に釣りのしやすい波止だったので機会があればまた何度か足を運びたい次第。
今回の使用タックル&釣行メモ
メモ:朝~12時、タナベタ底近辺。回遊を待って足止めして釣れるヤツを釣る典型的な湾奥エビ撒き釣り。根が点在しているようなので遊び過ぎに注意。際もたまに触っておく。素針2、針ハズレ1、根1、お触り3~4回。
ロッド:がまかつ MASTER MODEL2口太MH 5m
リール:SHIMANO 13BB-Xハイパーフォース 2500DXG
道糸:サンライン テクニシャンNEO 3号
ハリス: トヨフロン スーパーL・EX ハイパー 2号かシーガーグランドマックスFX 2号
ウキ:自作棒ウキ 0.8号
針:がまかつ ふかせグレ 7号
他にもエビ撒き釣りシリーズがあるので興味のある方はどうぞ(^^)