――風邪を引いた。
――――ここまでまともなのは数年ぶり。
先週のこと、「今週末は釣りにいく予定ないからゆっくりやな」などと思っていたら突然体調悪化。週末は悪い意味でゆっくり過ごすこととなった。
実はこの時すでに船でのタチウオテンヤを予約していて、「当日までに治るんやろか・・・?」と不安を抱いていたのだけど体調はなんとか6割程度回復。
釣りぐらいならなんとか出来る程度の体調ではあるものの、予約する性質の釣りでなければ家で寝ていたいのが本音だった。
今回お世話になるタチウオ船は『長安丸』
今回船タチウオテンヤでお世話になる船宿は泉南樽井漁港より出船の「長安丸」。
以前、同じ漁港内の海上釣り堀サザンで釣りをしていたときに見かけたのがきっかけで、利用してみようかなと思った次第。
今どきの!最新の!って感じではなくて、「どことなく昔ながら」の雰囲気を感じ取って、これは良さそうな船宿に違いないと予約。
予感は的中で、船長を含めスタッフさんや常連さん皆が優しくゆるい雰囲気。かと言って宣伝過多になりがちな人気船にありがちなド素人が混じってオマツリトラブルに巻き込まれまくるといったこともない。常連ばっかりなので。
それでいて人気船にありがちな「竿頭獲ったるで!」と殺気ムンムンな人もおらず非常に気楽で和やかな雰囲気。
うん。船宿っつったらこういうのだよな。
多少困ったことと言えば、そういう性質を多分に含んだ船宿なので(悪意はもちろん無いが)予約の際なども
私「初めて予約するんですが」
船長「はいわかったわ!○日○曜日な!ほな!」
私「えっ!? ちょっ! 駐車場とか!餌とか氷とか!?」
私「(そもそも初めてって言ったら、釣りが初めてなのか船が初めてなのかとか聞かないのか!?)」
という会話になってしまったり、前日の出船確認では
船長「明日はでます~!!ほな!」
私「えっ!!ちょっ!!集合時間とか!!」
という会話になってしまったりと、いささか苦労した点はなくもない。笑
まぁそれでも電話口から聞こえる声のトーンからは好感が強く、絶対良い人なんだろうなぁという感じは受け取ることが出来た。
よもや完全に素人が1人でこの船に乗ることは殆どないだろうけど、ある程度経験者しかついていけない部分はあるかもしれない。
場所は元々完全にわかっていたので行くだけなら苦労はしなかったが駐車場はあんまりよくわからなかったので現場で常連らしき方に聞いて事なきを得た。
初めての船宿で受付を済ませると、やはり予想通り気さくで優しそうな船長さんが「コーヒーでも飲みや~セルフやけどな~笑」と勧めてくれた。
せっかくなんで常連気分味わっちまおうとコーヒー片手に常連さんと船長の会話の輪に入って雑談。
準備自体はほとんど自宅で済んでいるので船に乗ってからは今回初導入の電動リールの電源を入れるぐらい。ちなみに釣座はよくある抽選ではなく、昔ながらの船宿に一番ありがちな先着順。このため、1時間以上早く来てミヨシ(一番前)やトモ(一番後ろ)を確保する常連客も見られた。
色々と作法がまだわからないものの、全員が揃って準備の出来た5時半に定刻通り出船。
11名満員での出撃。
目指すポイントは最近絶好調の洲本沖
この日は朝から北風が強く、波も高いので船長曰く「ゆっくりしか走られへんからいつもより時間かかるわ」とのことで小一時間程度かけてポイントとなる洲本沖へ到着。
ポイントとなる洲本沖では既に大船団が形成されており、ここ数週間の洲本沖絶好調を裏付ける光景が広がっていた。どの船も釣り客が満載。
それにしても波が高い・・・。普通にしていても1mは超えているだろう。
しかも船団が形成されていることもあり、船の流し直しも付近では頻繁に行われ、その曳き波をほとんど常時受け続けるのでタイミングによっては2mを有に超える波に耐えなければならない。
正直、体調不良ということもあって到着時点で私のライフポイントはゼロに近かった。船酔い寸前。むしろちょっと酔ってた。
洲本沖船タチウオテンヤ実釣開始
もうぶっちゃけ船室で寝ていようかと決心しかけていたが「せめて数匹釣ってから・・」と思い直し、船酔いで震える手をなんとか動かし、テンヤにイワシを巻きつける。
ちなみに餌のイワシは船宿で用意されており、一応塩で少し締めてある状態。
一流し目の1投目からアタリがあり簡単に一匹目。
足元のバケツに水を張って、シメたタチウオを放り込んでいく方式。たまったら船宿で用意した発泡スチロール箱に入れ替えていく。
朝からアタリは多数。船タチウオテンヤはまだ2回目なのでコツみたいなものはまだ全くわからないものの、圧倒的魚影の濃さでなんとかなってしまう。
タナが大事な釣りであることは明々白々であるが、これほど魚影が濃ければ狙いのタナ前後10m程度をゆっくり微速巻きしてきたらほぼほぼアタリが出せる。
テンヤの餌イワシも毎投毎投ボロボロになるし、何回かのアタリの中でフッキングに成功しないと簡単に餌だけが無くなる。
なので、餌がほぼ無傷の状態でフッキングに成功したときはまた違った喜びを感じることが出来る。波止タチウオ釣りでは無かった喜び。笑
また、時刻も9時を過ぎた頃には風も少し弱まり、波は「初心者なら酔う」程度の感じに。
もうこの時点で常連さんの1名が完全にダウンしてしまっていたけども・・・。
私の隣の釣座の方だったので広々と釣りをすることが出来ました・・・。なんだか複雑でありますが・・・。
小型サイズが餌取りかってレベルに
もうとにかく飽きるほど釣れる。
この日は小さいサイズがとにかく多く、指3未満のタチウオは全てリリースしていただいた。
エサ取りか?ってぐらい小型が猛烈にアタックしてくる。これじゃ波止でタチウオ釣ってんのと変わらない・・・。
とにかく指3未満は全部リリース。
というのも、隣の常連のおっちゃんが小さいのは全部リリースしてたので「この船宿的には小さいのがリリースってのが暗黙の了解なのかな?」と思っていたので。
あとで聞いたら「あの人は大きいのんしか持って帰らんからな~」というだけのことであり、基本的には小さいのも全部キープするんだそうだ。
なぜかって?船釣りだと竿頭という概念があるので。
次回利用時には小さいのも全部キープしよう。今回はもうすでに10匹を超えるタチウオリリースしちゃってるんでもう遅い。今日は指3本以上だけキープ。
初導入の電動リール 使い心地。
この日は電動リールを初導入。
どういうことかと言うと、前回初めて船タチウオテンヤを経験した時に、「深い場合は80mもの水深から一気に巻き上げてこなきゃいけない」のを手巻きでやるのは本当にキツイと感じた為。
私は餌釣りのウェイトが大きいのであまり感じたことはなかったが、どういうわけか電動リールに対して嫌悪感を示す人が少なくない。
「電動リール使って自分で釣ったって言えるの?」みたいなね。特にルアー派の人に多いように見受けられる。
いやいや、じゃあ聞くが、船で魚のいる場所まで連れてってもらって魚探やらソナーやらで船長に魚探してもらって挙げ句に「何メートルに魚が居ますよ」とまで教えてもらいながら釣りしてるのは、自分で釣ったと言えるのか?という思いを私は禁じ得ない。
五十歩百歩という言葉があるが、まさにその通りだと言えよう。
話を戻して、電動リールの使い心地。
買って良かったなぁ。で100%
どの電動リールにするのがベストだったか?にはまだ議論の余地が残るものの、電動リールを導入したこと自体は大成功。
まず楽。そして手返しが早い。電動リールであることのデメリットももちろんいくらかあるものの、やはり数十メートルの巻き上げを代行してもらえるのは本当に大きい。
「船タチウオテンヤをやるんなら安物でも中古でも良いから電動リール」というのを以前プロの方から聞いたことがあったが、まさにその通り。これは体感したものにしかわからないだろう。
アタリが少し遠のいた後半戦。少し良型も
時刻は11時前頃になると小型ばかりを嫌気したのか大きく深場へ移動。
この日のこの時間帯は潮が動きにくく深場を攻めやすいという船長判断。
すると、数こそ減ったものの、ポツポツと良型が拾える展開に。
この日最大サイズの指5。余裕のメーターオーバーも。
良型ばかりでバケツがあふれる。
そしてそのエリアをやりきって定刻通り12時に納竿。
小一時間かけて洲本沖から樽井漁港へ帰港。
樽井漁港なのでお馴染みの海上釣り堀サザンの横を通る。私はこの時にサザンからこの船を見かけたことで利用するに至ったこともあり、なんとなく感慨深い。笑
電動リール初導入の船タチウオテンヤ最終釣果
帰港後、船中の釣果を並べて集計。
竿頭は32匹とのこと。全体的にはよく釣れていたのではなかろうか。よくわからん。
私の釣果は26匹。指3未満は全てリリース。次回はリリースせずに何匹になるか試したい。
前半は船酔いで手返しも極悪かったこともあるし、作法もよくわかんなかったので次回は本気出して数獲りにいこう。
どのぐらい釣れるのか?船中と比較してどのぐらいになるのか?そのへんも自分のことでありながら未知数なので一度やっておかないとわかんないしね。
乞うご期待
今回の使用タックル
ロッド:SHIMANO SABER MASTER TENYA 82MH180
リール:DAIWA レオブリッツ200J-L
道糸:YGKの船PE2号 X4
リーダー:サンライン SYSTEM SHOCK LEADER NYLON 70lb.