SNSなんかをフォローしてくださっている方はもうご存知かもしれませんが先日「大阪湾タチウオキングバトル2019」の予選をなんとか突破することが出来ました。
参加すると1枚いただけるステッカーももはやコレクターの領域。どうすんだよこんなに・・・。
今思えば初出場の1回目が一番可能性が高かった。そこで「なんとかなりちゃうか・・・?」と思ってしまったのがいけなかった。予選という沼にハマっていくことに。
タチウオキングバトルとは?
大阪湾の船タチウオ釣りを介して交流や技術の向上、船釣りの発展を願い2013年から開催されている大阪湾の船タチウオ釣りNo1アングラーを決める大会。
予選、セミファイナル、ファイナルと勝ち抜いて最終的に最も優れたアングラーを決める。
予選は竿頭のみが通過でき、開催期間中の予選は何度でも参加出来る。
昨年度の参加者はのべ約900人で、大阪湾全体でも極めて規模の大きな釣り大会と言える。
http://tkb.tsurisoku.com/
2019年はさらにスケールアップし参加者激増。のべ人数は1000人を超えるとのこと。
タチウオキングバトルなんとか予選突破
この日は船中10人、私の釣果は13匹。11匹同数が4人という僅差の戦い。
基本的に毎回僅差で勝負が決まるのでたった一つのミスやたった一つの幸運で勝負が左右されます。稀にぶっちぎりで予選を抜ける方もいますが、稀です。
今回の場合だとラスト1時間までは私が1~2匹程度負けていた状況。
波風が高くなり、潮もぶっ飛び始め「ちょっと釣りにならないな」という状況を船宿側が察して、潮のゆるそうなポイントへ大きく移動した後に連発ではないもののポンポンポンとほぼほぼ偶発的な感じで3匹仕留めて終わってみれば2匹差でギリギリの竿頭で予選通過。
終始マジでただただラッキーが多かった。
この日の他の参加者は元キングやファイナル経験者、メーカーのテスター、関係者など猛者が盛りだくさん。
予選も残り少なくなってきたこの後半戦というのにいわゆる上級者や実力者と呼ばれる方々がまだ予選を通過出来ずにゴロゴロ残ってしまっています。
本来であれば「ラッキー」が通用するのはある程度まで。運も実力のウチと言われますがそれは実力が拮抗している場合の話。
一体なぜそんなことになっているのか・・・・。
今年のタチウオは一味違うらしい
今年のタチウオはどうも一味違うようだ。今年と言っても夏以降の話ね。
昨年の決勝進出者とか、2~3年前のキングとか、そんな実力がある人がいまいちアジャスト出来ずに予選の後半まで残ってしまっている現状を鑑みれば「今年のタチウオは何か違う」のは明らか。
今の所波止や沖堤防のタチウオも外れ年の様相なことも加味するとより一層信憑性が増してきます。
「いやいやそんなこと言っても本当に上手い人なら四の五の言わずに予選抜けられるでしょ?」と一般人なら思うかもしれません。
じゃあ元キングや何度も決勝まで進出してる人が上手くないのか?と言うと、全然そんなことはなくめちゃくちゃ上手いです。断言出来ます。釣りを見ていると、本来であれば歯が立たない気すらしてきます。
ではなぜ私と同じように今なお沼にハマってしまっているのか。
今年の大阪湾船タチウオ、一体どう違うのか?タチウオキングバトル予選の沼にハマり続けた私がリアルな最前線の雰囲気をお伝え。
びっくりするほど魚影が薄い。
まずこれ。魚影の薄さ。
魚釣りやってると「魚はいるけど口使わない」という状況に度々出くわします。実際に海の中を覗くわけじゃーないんで本当に魚がいない場合も多々あるように思いますが。笑
が、ことタチウオに限って言えば、基本的に賢い魚ではなく、むしろ知能が相当低い部類なのでそこに居さえすれば割と口は使います。頭が悪いとは言え活性の高い低いはあるので針掛かりの良し悪しは差が出ますけども。
で、今年は(今の所)と言うと・・・・アタリそのものが非常に少ない。
アタリそのものが少ないので、どのタナを攻めるのが良いか?どんな誘いが効くのか?合わせるタイミングは?エサは?などなどの再現性が非常に乏しく、「ほんまにこの釣り方で合ってんのか・・・?ほんまにこのタナでええんか・・・?」と、むしろ対タチウオというより対自分の釣りになる状況が多々あります。
上級者の方の場合、この「再現性」のクオリティが非常に高く、一度釣れるとわかったら同じことを再現して数を重ねるのですが、前述の通り魚影が薄い為アタリ自体が遠く、再現性に乏しいのでどれほど実力者であっても他者と差をつけることが難しい状況です。
ただ、予選を通して感じたことは「確証足るものはない薄い再現性ではあるが1日の中で何回見つけることが出来るか?」は強烈なキーだったような気がします。
びっくりするほど小型が混じる
予選の序盤(9月上旬頃)からすでに微妙に混じっていましたがいわゆる「夏タチ」と呼ばれるような指2本前後サイズが混じり続けています。
正直これが勝負を難しくしてしまっている一番の要因な気がしています。
私も・・・苦手です・・・。
そもそも指2本前後なんていうサイズはかなり針掛かりしません。なぜなら魚自体の面積が非常に小さいのでよっぽど良い角度で食わせないと乗りません。
また、こいつらは基本的に通常~大型サイズとは居るタナが違う日が多く、「このタナめっちゃアタリあるかも!?」と一人でテンションが上がっていても実はこの指2本サイズのタナだったりしていつまで経っても「アタリはちょいちょいあるが乗らない」という状況にも陥りがちでした。
さらに、日によってめっちゃ混じる日もあれば全然混じらない日もあり、「今日は小型のやつで数を稼ぐ作戦や・・・」と思って小型にアジャストさせにいくも・・・意外とそんな日に限って全然出現しないとかいうこともあり、タナ迷子になることも。そしてアタリ自体が基本的に遠いのでそうなってくるともはや絶望の淵。
で、小型が釣れたら釣れたで「だいたい通常~大型と違うタナにいることが多い」のでまともなサイズは違うタナにおるんかな?と自らタチウオを探しに行ってしまい自らタナ迷子のドツボにはまることも。
さらにさらに面倒くさいのが指2本な小型タチウオとは言え一丁前に活性が高い時低い時があっていちいちミニタチウオの機嫌を伺う必要があり、とてつもなく丁寧な釣りを強いられることに。
とは言え指2本未満の小型だろうが130センチを超えるスーパードラゴンだろうが1匹に過ぎず、タチウオキングバトルでは同じ価値で扱われます。
この小型をどう攻略するのか?がめちゃくちゃ重要な要素でした。
早掛けスタイルの釣りが全然通用しない
近年のタチウオキングバトルで実績のある方は見聞きした感じでは即掛け、早掛けと言われる「アタリがあったらとりあえず掛けにいく」スタイルの方が多いように見受けられます。
私もそのスタイルです。「アタリがある=口を使っている」のでとにかく掛けにいきます。
それが全然通用しない。掛からない。なぜなら小型が多い。魚影が薄くて追ってこない。
ということで「現時点では」一つ一つのアタリを大切に大事に丁寧に育てて本アタリに発展させるタイプの「乗せるスタイル」が間違いなく強いと言えます。
予選最序盤は割と即掛けで通用していたものの、後半になるにつれ即掛けは全く歯が立たなくなりました。
これも上級者や実績のある方がいまだにゴロゴロ残ってしまっている一因です。
私のように船タチウオ歴1年未満とかならスタイルと呼べるほど確立はされていませんが、長年一線級でやっている上級者の方ほどスタイルを変化させることは難しいだろうと思うので苦しい展開が続くかもしれません。
このスタイルってやつの相性でパワーバランスがこれほど大きく変わるのかと驚かされましたね。
参加者のレベルが上がっている
昔からタチウオキングバトルに参加されている古参勢からよく出てくるニュアンスです。
とにかくみんな勉強熱心でレベルが凄くあがっているとのこと。
近年では動画コンテンツも充実していて昨日今日はじめたような初心者の人でもトップクラスの釣りを間近で感じることが出来ます。
トップレベルの方々が何年もかけて会得した技や考え方を簡単に吸収出来るってわけですね。
過去に参加していた決勝進出者によっては「もう今は通用しないから予選に出ない」と言って出ない方もいるんだそうです。
考えてみれば私なんかもまだ1年生で、過去に出場していた方達から見れば「おまえ誰や!?」と思われていることでしょう。
カルチャーショックや驚きの連続だったタチウオキングバトル予選の日々
最後に予選を通じて感じたこととか。
最初は「ボチボチ上手くなってきてると思うんやけどどれぐらい上手くなったんやろう?知りたいな」という思いから予選に参加してみました。
するといきなり1回目チャンス到来。しかし持ち前の雑さ、考え方の甘さから1匹差で予選通過出来ず。
かなりガックリ来たのは記憶にありますがそれと同時に「これなんとかなりそうちゃうか?」と感じました。
そしてずぶずぶと予選沼の深みにハマっていくことに・・・・。
が、それも今思えば良い経験になったのかもしれません。
もし一回目で一発予選通過していたら今頃地球を一周するぐらい天狗の鼻になってたかもしれないからです。笑
数々の予選に参加して「ただ上手いだけじゃ抜けられない」ことを痛感し、スタイルの違いやミスを減らす重要性、挽回する難しさ、少しの運、プレッシャーや緊張への慣れなどなど色んな経験を高いレベルの中で得られたことは今後にも活きることでしょう。
逆に、無駄に引き出しや知識が増えてしまった感は否めず、一辺倒で押し通してた頃に比べると爆発力は鳴りを潜めてしまったような気も・・・・。誰もが通る道かとは思いますけどね。。。
予選参加者の熱量
参加者の多くは私など到底及ばないほど船タチウオに情熱を注いでいる方が多かったのも印象的でした。
「え!?竿何本持ってきてんの!?」はほとんど毎回思ってましたし、「めっちゃくちゃ半端ないぐらいエサの準備してきてるな・・・」とかも何回か。
「え?それうな重?」ぐらいに丁寧なサンマエサの用意をしている人や「なんやその正体不明のエサは・・・」という方もいらっしゃいました。
準備も用意も「使えればええやろ」程度の認識しか持ち合わせていない私にとってはカルチャーショックの連続。
釣座が先着順の船宿なんかでは前泊(車中泊)してまで良釣座を確保する猛者も居ました。そこまでしてでも予選を抜けられるかどうかわからないわけで、それでも少しでも可能性があがるなら!ってことですね。脱帽です。
他に多かったパターンとしては有給休暇を使用して予選に出まくる猛者。
この予選のために有給を温存して、この時期に使いまくるんだそうです。しかもそういう人結構いらっしゃいました。
若年層の参加者なんかはオフシーズンにコツコツ貯めたお金で予選に参加するという姿も見られました。
私が予選沼にハマってしまったのもそういう人達の熱気にあてられたというか、なんか乗っかっちゃった部分もあるような気がします。
どうしても私の場合は手を出している釣りが多い分、どこかで船タチウオだけに意識を全振りすることが出来ないので、そういった方々よりは熱量は全く及びませんが、そこまで賭けてる人も多いことはとてもよく伝わってきた日々でした。
魚と勝負するんじゃなく人と勝負する日々がしばらく続いていたので「楽しい釣り」からは随分と離れてしまっている状態なのでとにかく今はまず釣りを楽しみたいな・・・楽しい釣りがしたいな・・・・そんな気分ですハイ。。。。