関西の釣り人はなぜ武庫川一文字に惹かれるのか | ツリタノ!

関西の釣り人はなぜ武庫川一文字に惹かれるのか

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大阪湾の北部、芦屋-尼崎沖に位置する「尼崎西宮芦屋港西宮防波堤」

通称、武庫川一文字。略してムコイチ。

日本で2番目に長い沖の防波堤で、その全長は4.4kmにも及ぶ。

現在は3つの渡船により渡堤することが可能で、ハイシーズンには数百名の釣り人が賑わう関西はもちろん全国で見てもトップクラスの人気釣りスポットとなっています。

今回はそんなムコイチの魅力、なぜ関西の釣り人はムコイチに惹かれるのか?を私なりに考察していく駄文となります。

この記事は、特に意味や意図はなく、ヒマだったので文章に起こしただけのものです。

「武庫川一文字ってどんな所?」みたいなことはサラっとしか触れません。調べればいくらでも出てきますし。笑

あと、「なんだよこのタイトル!俺は惹かれてねーよ!」って人も多くいらっしゃると思いますが、そんな人がいるこたぁわかってます。笑

数百人が同時に釣り出来るのにハイシーズンには早朝5時に送り便がストップして、日付が変わる前から翌日の受付待ちの釣り客が並んでる沖堤防は関西ではムコイチだけなので、少なくとも関西では一番人気のある沖堤防という前提で話進めていきます。笑

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武庫川一文字とは

冒頭に書いた通り、芦屋市-尼崎市の沖で東西に伸びる沖防波堤で、全長は約4.4km。

明石方面からと和歌山方面からの潮がぶつかり合う場所に位置し、抜群の潮通しで水深も釣りをする上ではちょうど良い深さになっていて通年様々な魚種が狙える関西の誇る超有名釣りスポットです。

釣りをすることが出来る防波堤では現時点で日本で一番長い防波堤となります。

全長が4.4kmもある上、外向きと内向きの両面で釣りをすることができ、季節や状況に応じて内外釣り分けることも可能。

潮通しが抜群に良いとは言え、大阪湾の湾奥近くに位置しているので波の高さは太平洋や日本海に面している防波堤よりも遥かにおだやかで、一年を通して快適に釣りが出来る日のほうが多いぐらいです。

外向き足場の高さは5mほど、内向きは2mほどとなっていて、6m程度のタモがあれば大物を釣ってもすくい上げることが出来ます。

武庫川一文字で釣れる特に人気の高い魚種は

釣れる(釣れたことのある)魚を列挙するとキリがないので、ここでは特に人気の高い魚種を挙げていきます。

アジ、イワシ、サバ、スズキ、チヌ、キビレ、カサゴ、タチウオ、ブリ、サワラ、タコあたりは特に人気の高い魚種と言えます。つまり特に魚影の濃い魚種とも言えるでしょう。

隠れた人気としては、サヨリ、アナゴ、グチ、アコウなんかも挙げられることでしょう。

挙げられた魚種の中でもナンバーワンの人気を誇るのがタチウオとブリで、これらが釣れるとなったら朝から200人以上が行列をなして渡堤し、昼には防波堤が満員で渡船の送り便がストップするという事態になります。

防波堤に数百人が渡るということ自体が他の地域の釣り人には信じられないでしょうし、数百人が渡れる防波堤が満員になるというのもにわかに信じがたいことでしょうが、関西の釣りにおいては殆ど常識となっています。

釣りをする上での注意や特徴は

東西に伸びている防波堤で、長い以外特に特徴もない為、防波堤に等間隔で番号が振られており、その番号を目安に渡堤することになります。

武庫川一文字では1番~9番までの番号が振られており

東側から西へ

1番 久保渡船

2~6番 武庫川渡船

7~9番 西野渡船

の営業区域となっています。

営業区域が決まっているので渡堤して「端から端まで釣り歩く」ということは基本的に不可能であります。営業区域外で釣りをすると大変怒られることがあるので注意しましょう。笑

渡船屋さん同士のナワバリ意識ということもあるでしょうが、基本的には事故が起きた場合の対応に遅れが生じたりする可能性がある為なのかなと思います。

防波堤の特徴としては長いだけで基本的には普通の沖防波堤となんら変わらないので、釣り方は防波堤の釣りで問題ありません。

しかし規格外の長さなので東西の端と端では釣果が著しく変わることがあります。というか日常です。

4kmも距離があるので西端では○○が良く釣れたけど、東端では全然釣れなかったということがほぼ毎日のようにあり、場所の選択も経験や勘と運に左右されます。

ムコイチはなぜ人気が高いのか

前置きが長くなりすぎましたが、ムコイチの人気の高さについて考察していきます。

ざっと思いついただけでもたくさんあるので正直書ききれないのですが、思いつく限り。笑

神戸-大阪の間に位置しておりアクセスが容易

武庫川一文字へ渡堤するには武庫川、西野、久保のいずれかの渡船屋を使うことになりますが、いずれの渡船屋も尼崎鳴尾周辺にあり、高速道路出口からも近いし、国道43号線からも近いです。高速道路なんか近い出口が名神、神戸線、湾岸線と3路線もあります。

また、渡船屋によっては電車釣行の方も連絡すれば渡船屋が車で送迎してくれます。

ちなみに送迎サービスを利用されている方は意外と多いです。

釣り場が広大でスペース確保が容易

もうとにかく広大です。

端に立ってもう片方の端を見ようと思ってもよく見えません。笑

普通の波止だったら1kmもあったら広々というレベルかと思いますが、なんせ4km以上あるので尋常ではありません。

また、武庫川一文字には釣り人の為?か等間隔にハシゴが掛けられており、暗黙のローカルルールとして釣り人一人につきハシゴ一つとなっているのでどれだけ混雑していたとしてもハシゴを確保してさえしまえば普通に釣りが出来ます。間隔はまちまちですが狭くとも10m程度は確保されています。

渡船屋から波止まで近い

地味に大きい理由です。

色んな渡船屋を利用されたことのある方は本当によくわかると思いますが、

基本的に渡船屋というのは色んな沖堤防に人を渡します。その際に色んな波止を近道しながら遠回りしながら周っていくわけですが、様々な釣り物が重なるシーズンによっては各波止に人を順番に渡していくので、自分の目当ての波止につくまで30分かかるとかはザラなのです。

行きもそうなんですが、時間が重なりやすい帰りの時間なんかはもっと悲惨なことになりがちです。釣りで体力消耗して1分でも早く帰りたいのに色んな波止を周ってお客さんを回収して・・とやってると小一時間普通にかかったりします。汗

その点武庫川一文字は各渡船屋からも近く、武庫川一文字以外の波止も武庫川一文字に行くついでの場所しかないので時間のロスがほとんどありません。10-15分もあれば到着します。

とても快適です。

ぼちぼち釣れる

場所も沖すぎず湾奥すぎず、ちょうど良い所にあるので魚も回遊しやすいのか、溜まりやすいのか、年中きちんと狙えば何かしらぼちぼち釣れます。

私は100回以上渡堤したことがありますが、9割以上は何かしらの釣果をあげています。

多くの人は9割までは行かずとも7-8割は何かしらの釣果をあげているのではないでしょうか。数回しか行ったこと無くてボウズばっかって場合はさすがに除きます。笑

年中何かしらの魚影は濃いことだけは確かかなと感じます。

最大の理由は釣り客の多さにある

私が思う武庫川一文字の人気の理由で一番に挙げられることが、「釣り客の多さ」だと思います。

釣り客は多いけども、広大なスペースがあるので快適に釣りを楽しむことが出来る。

よく聞く理由として「よく釣れるから」というのも聞きます。

確かにムコイチはよく釣れる波止ではあると思いますが、別にムコイチでなくとも釣れる波止はいくらでもあり

私は一度もムコイチが一番釣れる波止だと思ったことはありません。これに関しては恐らく同意見の方のほうが多いと思います。

でも人気の絶えないムコイチ。

人が人を呼んでいる部分が多いのではないかと思っている次第です。

釣り客が多いことで情報収集が容易

釣り客が多いということは、四季折々の釣り物の釣果情報も充実しており、釣り方や釣れている場所の情報も年中詳細にわかります。

いつ行っても今何が釣れているのか?どうやって釣れば良いのか?が容易にわかるのは大きなメリットですね。

釣り客が多いことで腕試しが出来る

私はもっぱらコレが理由です。笑

単純に釣り客が多いことで、自然とトップレベルの技術水準も高くなり、年中なにかしらの上級者がおられます。そんな関西を代表するような腕前の方々に(勝手に脳内で)腕試しが出来ます。笑

8-10月あたりのタチウオのハイシーズンなどは毎日数百人のタチウオハンターが思い思いの釣法で同時にタチウオを狙います。まさに毎日が巨大ワンデイトーナメント!

また、「武庫川一文字で通用したら、どこの波止行ったって通用する」ってのはムコイチに通っていると結構聞く言葉ですし、実際にそうだと思っています。なんせ釣り客が多いので井の中の蛙になりにくい。

ただ、ムコイチは潮と波止の形状にあまりクセがないので、クセのある波止に行くと苦戦します。笑

あ、ちなみに”通用したら”の基準はそれぞれ違うとは思うので誤解の無きように(^^)

釣り客が多いのでほぼ毎日決まった時間に出船する

これも地味に大きな理由だと私は思います。

これを人気がある理由の一番に挙げる方も多いかもしれません。これを可能にしているのが釣り客の多さなので相互関係にあるかと思います。

色んな渡船屋を利用したことのある方はよくわかると思いますが、基本的に大阪湾の渡船屋というのは毎日決まった時間に営業していないことのほうが多いように思われます。

具体的に言うと、「毎日○時~○時まで出船してて○時間毎に送り便、迎え便がでますよ」と明記されていないことが多いです。

これは、渡船屋からすると明日何人客が来るかわからないし、「たった一人だけヘンな時間に来られても燃料代のほうが高くつくわ」という理由です。渡船屋も生活かかってるので、当たり前のことですね。

なので、普通の渡船屋だとブログなんかに「明日の出船予定」みたいなタイトルで「出船するのかしないのか、するとしたら何時からなのか」を情報として出しているケースが多いです。

ブログで出ているならまだマシなほうで、行ってみたらやってなかった、電話で問い合わせしたけど出船するかどうか返事が曖昧だったという渡船屋も普通にあります。お察しください。

その点武庫川一文字の場合は、釣り客が多いので、2~3月あたりのローシーズンを除けば渡船屋によっては天候が許す限りほぼ毎日営業しており、釣り客としても予定が非常にたてやすいのです。

釣り客が多いことでファミリーや女性にも利用しやすい

これも大きな理由の一つですね。

武庫川一文字の渡船屋の船には基本的にトイレが常備されています。

大半の男性はお察しくださいですが、女性の場合はそうもいきませんね。

武庫川一文字で一番人気のある渡船屋の「武庫川渡船」を例にあげます。

基本的には1時間前後ぐらいの間隔で、2~6番まで順番にお客さんを渡していきつつ帰りのお客さんを回収し、最後に2番をチラ見して渡船屋まで帰っていきます。

この時に2番にいれば渡船の行きと帰りの2回もトイレチャンスがあります。

※釣り客の渡船状況によってはバラバラの順番で渡すこともあります

2番にいなくとも武庫川渡船の場合だとだいたい1時間前後に1回巡回しにくるのでその時に済ませることが出来ます。

ちなみにローシーズンの場合だと定期巡回しないので用事があったら電話してください。大体なんとかしてくれます。笑

さらに武庫川渡船の場合では、飲食物や氷を船に常備しており、船が着いた時に購入することが出来ます。沖堤防の上で食べるカップラーメンは最高に美味いです。笑

ファミリーや女性、トイレだとか飲食物だとか用事の多い人は「武庫川渡船の2番」と覚えておきましょう。

渡船屋によっては手ぶらでなんとかなる

これも大きな理由の一つかなと思います。

また例に武庫川渡船があがってしまいますがこれに関しては武庫川渡船一択なので(^_^;)

武庫川渡船を利用した場合のムコイチに関しては手ぶらで行っても釣りが出来ます。

レンタル釣り道具からレンタルライフジャケットまで常備されておりその殆どが無料で利用することが出来ます。餌、小物、氷も売店で全て購入することができ、スタッフのアドバイスも十分に受けられます。ちなみにスタッフさんは常連客の釣り自慢を年中聞いているので個人的にはそこらへんの釣具屋スタッフよりよっぽど釣りに詳しいのではないかと思っています。

また、○○会とか背中に大きく書いてある上級者も波止に大勢いるので聞けばなんでも優しく教えてくれます。笑

つまり、とにかく行けばなんとかなるのが武庫川一文字です。

私もこれには何度も助けられており、忘れ物が多いので「あ~!あれ忘れた!」となっても渡船屋に電話すれば次の便で売店の商品を持ってきてくれて現地決済(現金)が可能なのです。

普通の沖堤防だったら忘れ物があったりして、それが必須のものだったら物乞いするぐらいしか方法はないのですが武庫川渡船なら何を忘れてきても大体なんとかなります。

安全を最大限に重視している

武庫川一文字の各渡船屋は組合を結成しているらしく、その組合のルールに則って運用、営業しているようです。

特に厳しいルールが安全に関することで、出船と緊急引き上げの基準です。

風は警報ではなく、「強風注意報」で出船停止。場合によっては強制的に引き上げ。

雷も注意報でほぼダメですね。空がゴロゴロ鳴り出したらほぼ強制的に引き上げとなります。これはどの渡船屋も同じルールで運用しており、安全上の観点からも、渡船屋同士の過当競争を防ぐ意味合いでも大変有益なルールだと感じています。

各渡船屋が、関西で一番人気のある沖堤防であると自覚を持ち、「何かあったらこの沖堤防で釣りができなくなる。そうなったら一番損するのは誰か?」を各渡船屋がしっかりと理解出来ている証拠でしょう。

シーズンや場合によってはその厳しい基準に泣かされることもあるんですが、基準がしっかり明確なことで予定も立てやすいし利用もしやすいわけですね。

釣り客が多いことのデメリットもある

なんでも客が多ければ良いってもんでもなく。

多いことでデメリットになる場合もあります。

波止のポテンシャル以上に釣り客が来ちゃう

人が人を呼ぶことで、利用もしやすく、釣果情報も充実し「ムコイチ行ってみよう!」となりやすいので、波止のポテンシャル以上に客が来てしまうことも多々あります。

ムコイチに何度も行ったことがある方は「思ったより釣れてないのになんでこんなに人いるんだよ・・・」と感じたことが多々あると思います。まさにソレです。

他の沖堤防も行ける方はそちらも検討にくわえていただいたほうが賢明な場合もあります。

皆同じ釣り物を狙ってるわけではない

普通の波止ならスペースにも制限があるせいか、釣り客のほとんどがその時期ごとに釣れている釣り物に集中しがちなんですが、ムコイチの場合は広大かつ色んな魚種が一度に狙えてしまうので、色んな釣り人が来ます。

例えば6-8月あたりなんかは人気のマダコ、チヌ落とし込み釣り、根魚狙いの探り釣りがバッティングしやすく、ケーソン(護岸)の継ぎ目争奪戦になりがちです。笑

我先にと釣り歩くスピードを競っているようにすら見える時があります。

広大なスペースがある故にそうなるんですが、ケーソン継ぎ目は限りがあるのでそれなりの競争率になってしまう時があるようです。

他の釣り物でも相性の良し悪しが出てしまい、片方の釣り人が不利を受けてしまうという場合も多々見受けられます。

ある程度仕方のないことではありますが。

釣りの技術やマナーに差がある

利用のしやすさ故に、釣り初心者の方や釣り自体が初めて、沖堤防に来るのが初めてという方も多く見受けられます。

やはり初心者の方ほど(暗黙の)マナーには疎い傾向があり、温度差を感じたりすることもあります。これがそれなりに釣りしてる人ばかり来る沖堤防ならあまりそんなこともないのですが、ムコイチだとよくあります。

また、初心者の方が多いということでありがちな話だと、真っ直ぐ投げられない人が隣の釣座に来てしまうことがあります。

普通の沖堤防だったら真っ直ぐ投げられないうちから来る人はあんまりいないように思いますが、ムコイチだと9-10月あたりのハイシーズンには真っ直ぐ投げることすら出来ない方たくさんいらっしゃいます。汗

真っ直ぐ投げられない人とウキを流しっぱなしにする人が隣に来た時の絶望感は半端ないですね。

少しばかり苦言になってしまいますが、有料の釣り場なので他の人もお金を出して来ているわけで、せめて迷惑をかけない程度の技術とマナーを習得してから、もしくは習得を可能としてくれる方と同行で来てもらえると良いなぁと願うばかりです。

まだまだ語りきれない武庫川一文字

思いつく限りざっと書きましたが、あとで思い返したらいくらでも出てきそうです。笑

知っている人からしたらわかりきったことしか書いてないんですけども、まだ利用したことがないとか、連れて行ってもらったことがあるだけの方や、なんでそんなに人気あるんだよって思ってた方などの参考になれば幸いです。

冒頭にも書きましたが、私にとってこの記事自体は特に意味も意図もなく、ヒマだったので頭の中にあったものを文章化しただけのものです。

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