大阪湾ではなぜタチウオ釣りが人気No1なのかを考察する | ツリタノ!

大阪湾ではなぜタチウオ釣りが人気No1なのかを考察する

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こういう釣果情報が地元釣果情報サイトなどに掲載され始めると大阪湾全域が殺気立ち始めます。

なんとか一文字では朝一番船が5時なのに日付が変わる前から駐車場前に待機列が出来てしまったり、なんとか堤防ではヤンキーからおじいちゃんまで24時間体制で場所取り。

マナーもルールも知らないド素人が大勢来るもんだから毎年その時期になるとどこかの釣り場が閉鎖されてしまうなんて悲しいことも。

どこからもリンクしてないされてないこんな糞みたいなブログですらタチウオ情報を求めて幾千人が求めてくる始末。

大阪湾には豊富な魚種が生息しており、どの釣り物も魅力に満ち溢れ、奥の深い釣りばかりですが、一体なぜタチウオだけがこれほどまでに人気があるのか?

これについて私なりに考察。

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大阪湾タチウオ釣り。その異常人気の根底にあるもの

世の中で人気のあるものには必ず理由が存在します。

昔から定番、メディアで話題、口コミで人気などなど。

タチウオ釣りにおいても他の魅力的な魚種を差し置いて頭一つ抜きん出るべくして人気になっている理由があるわけです。

順を追って思いつく限り挙げていきます。

※私の昨年タチウオ釣果例その1

季節がある程度限定されている

もちろん探せば日本沿岸で年中釣れる魚種ではありますが、大阪湾という括りで考えた場合では船を利用した沖ならば7月~翌年2月程度、堤防からであれば8月~翌年1月程度が釣りとしてタチウオを狙えるおおよその目安になろうかと思います。もちろん年によって多少の前後はします。

定番人気魚種のチヌやハネ、根魚あたりと比べると季節がはっきりと限定されているので「今しか釣れない」感はありますね実際。

特に数が釣れるハイシーズンに限って言えば数週間も続けば良いほうで、台風の影響などを考えると1週間あったかなかったかなんていう年もあります。

季節限定感は一つの理由としげ挙げられます。

※私の昨年タチウオ釣果例その2

タチウオ釣りの特徴として素人が圧倒的に多い

波止からのタチウオ釣りにおいて、大阪湾で定番魚種のチヌ、ハネあたりと比べて圧倒的に釣り初心者、素人が圧倒的に多いのも特徴です。

中には「お前マジか」というレベルの技術や装備で挑む猛者を毎年何十人も見かけます。

他魚種に比べてそういう層の釣り人が多いことで人気が底上げされている部分も感じられますね。

ここで大事なポイントは、なぜ他魚種に比べて素人が多いのか?という点にも考察を及ばせたい所であります。

初心者でも比較的簡単に釣れてしまう

タチウオがそこに居て、活性さえ高ければ多少風が強くても潮が悪くても釣れてしまうのがタチウオです。群れで活動し且つ回遊性の強い魚はそういう傾向がありますが特にタチウオは条件さえ整えば釣るだけなら容易であると断言できます。

もちろん数時間で何十匹とか釣ろうと思ったらそれなりの技術は要しますが、「釣れればいい」「食べる分だけ」程度なら昨日今日始めた初心者でもなんとかなってしまう可能性がある釣りと言えるでしょう。

簡単に釣れるが差はつく

前述の通りですが、ある程度簡単に釣れてしまうタチウオでも釣果で比較すると熟練者と初心者では絶望的なほどに差がつきます。

一部の沖堤防で夕方から最終便まで時合が続いたとして初心者の方が二桁釣果に手が届きそうな状況であれば熟練者は場合によっては100匹近く釣ってる場合があります。そのぐらい差がつきます。

そのとき、初心者はこう思うでしょう「俺もだいぶ釣ったと思うけどあんなに釣る人いるんや・・・」と。

そして向上心の強い人や、負けず嫌いな人、研究熱心な人なんかは「ワイもあんなに釣ってみたいんや!」と益々のめり込んでしまう構造となっています。

もちろん他魚種の釣りでもあり得る話なんですが、釣果が連日何十匹とかいう単位になる魚種はサビキ系以外の釣りではそう多くありません。

※私の昨年タチウオ釣果例その3

人気があるので釣具店、メーカーも煽る

ここまでの考察だけで十分に人気があることが伝わったかと思いますが、その火に油を注ぐ燃料が釣具店、メーカー各位です。

無論、悪いことではありません。需要があるところに供給する。それだけのことですね。

何年か釣り系のテレビ番組を視聴している方ならご存知かと思いますがシーズンインすると大阪湾の釣りメディアはタチウオばっかり。メーカーや釣具店がかわるがわる色んな波止や船でタチウオを釣りまくります。

そんな様子を毎週毎週見せられたら「あんなに釣れるんやったらやってみよか」となる気持ちもわからなくありません。というか正常な思考と言えるでしょう。

そして毎年毎年色んな新製品が発売され、新製品が発売したらそれを宣伝する為に・・以下ループという流れでしょうか。相乗効果というか、好循環というか。

釣り人、釣具店、メーカーの色んな思惑が合致しやすい環境が整っている釣り物と言えます。

タチウオは高級魚である

簡単に釣れる上に、なんといってもタチウオは「高級魚」と分類されることが多いです。

高級魚の定義が曖昧ではありますが、個人的な印象で言えば市場取扱価格の「キロ単価」が1,000円を超える魚種は高級魚と呼ばれることが多いようです。

ここで釣り船予約専門サイト「釣割」が目安として公開している市場の魚相場ページを見てみましょう。養殖か天然か、また時期なども記載がないのであくまで目安となります。

引用出典:釣割 市場のお魚相場 より

https://www.chowari.jp/sp/tool/fishmarket.php

当然のことながら養殖であるか、天然であるか、時期や漁獲量、状態やサイズで大きく上下するものですがタチウオの場合はいずれの場合でも年間を通して1000円以上を維持することが大半のようです。

タチウオは目方(釣り上げたままの状態)で平均サイズの80センチ前後であれば300-400g程度はあるので数匹釣れば1キロは簡単に超えます。それで1,000円。

例えば昨年私はタチウオを数時間で50-60匹以上釣った日が何度かありますが、その場合であれば20-30キロ程度となり、目安から言うと2万円強~3万円強の価値がある魚を獲ったことになります。

まさに大阪湾のゴールドラッシュ。笑

基本的に釣りというのは趣味性の強いもので、大枚叩いて魚を釣るわけでありますが、投資した金額よりもリターンの大きくなる可能性の高い稀有な釣りの一つとなり得るのがタチウオ釣りであります。

※私の昨年タチウオ釣果例その4

見た目が派手、長さだけはある

見た目が派手。そのままです。笑

釣り初心者から上級者まで基本的に嗜んでいる魚ってのは、普通に魚の形をしていると思いますがタチウオってやつはやけに長い身体にギラギラの皮。

顔の三分の一を占めるでかい目、触ると大怪我しかねない鋭くてデカイ歯。

死ぬまでの一瞬だけ見せる銀と紫色の美しい輝き。独特の動き。

とにかく普段慣れ親しんでいる魚種とは見た目が全く違い、釣った達成感のようなものは得られやすいように思います。

また、長さだけはあるので見栄えもしますし、それなりに折れ曲がるのでそんなに大きいクーラーがなくてもキープが可能。

好奇心というか探究心というか釣り人の気持ちがくすぐられやすい要素が詰まっているように感じますね。

※私の昨年タチウオ釣果例その5

思いのほか引きが強い

見た目はかなり細いタチウオですが、平均サイズを超えて90センチ~メーターオーバーともなってくると大人の手のひらほどの太さになります。

それは40-50センチ程度のシーバスなんかに相当します。

その太さで1mあるわけです。で、身体全体にヒレ付き。

その細い見た目とは裏腹になかなか強烈な引きの強さを見せるので油断出来ません。

平均サイズを超えるタチウオとなると一発目の締め込みは平均サイズ以上のチヌと同等かそれ以上と言えます。生半可な仕掛けでは破損する恐れすらあるので注意しなければいけません。

手軽に狙えてそれでいて比較的簡単に釣れる、しかも引きも強い。面白いに決まってますね。

意外と費用がかからない

前述しましたが、タチウオは高級魚と言われています。

その割にタチウオ釣りの費用はそれほどかからないと言えます。

竿を何本も用意する必要はありませんし、リールも安物で構わない。

エサでやるにしてもルアーでやるにしても何種類も必要なく、ある程度決まったものを持っていれば釣りになります。エサ代にしてもエビ撒き釣りやフカセ釣りみたいに毎回数千円もかかりません。イワシやドジョウなんか餌屋で1000円も買えば殆どの場合一晩で使いきれません。

経済的な参入障壁が低いことで多くの釣り人が手を出しやすいわけですね。

※私の昨年タチウオ釣果例その6

食っても美味いし捌きやすい、意外と流通してない

タチウオを釣ったことがない方にもある程度常識とされているようです。

「タチウオは美味い」と。

焼けばフワフワ、揚げればホクホク、生でコリコリ、炙ればジュワ。

そんな多様な形容が出来る美味な魚だそうです。

(ちなみに私はあまり好きではないのでほぼ食べません。笑)

そんな美味い魚が比較的簡単に釣れるとあっては病みつきになる人が出るのも当然と言えるでしょう。

また、流通価格が高い為、意外と流通していないことも挙げられます。

なぜか?高いので。

もちろんスーパーによっては毎日並んでますが、当然高いです。平均サイズ程度の切り身で500~1000円程度がよく見られます。前述の市場取扱価格なら目方で1000円なのに末端価格なら切り身で500円以上・・・。高すぎる・・・。

一般家庭で家族4人とかで食おうと思ったら数千円の出費なわけです。ちょっと高いですね。

そんな憧れの高級魚を気軽に食える機会があれば、お父さんがんばっちゃうのも頷けるわけです。

そして体表にはウロコが無いので捌きやすいことも挙げられます。家庭で魚を捌く際に何が面倒かってウロコ取りが面倒なのですがこの作業がないのは大きなメリットと言えるでしょう。

身体の構造も単純で、出刃がないと断てない硬い骨もほぼないので文化包丁一本あればさばけてしまいます。

※私の昨年タチウオ釣果例その7

タチウオ釣り人気の理由。思いつく限り挙げてみた

さてここまで思いつく限り挙げてみましたがいかがでしょうか。

簡単に釣れるし、数も釣れるし、引きも強いし、魚の価値もある、費用もあまりかからないし、食ってもうまいし捌きやすい。

メリットだらけやんけ

と自分で書いてて思ってしまいました。笑

そりゃ人気になるわと頷くばかりです。

※私の昨年タチウオ釣果例その8

釣りとしてのデメリットを挙げるほうが難しい・・・。

あるとするならば、「他魚種の釣り人から見た大阪湾のタチウオ釣り」という目線になるでしょうか。

毎年毎年波止に数メートル間隔で並んでタチウオ釣って云々

タチウオ釣れる時期になるとどこも満員で迷惑

初心者が湧いてくるので云々

釣り人が増えるからゴミが云々

と、他魚種の釣り人から見れば釣り以外の要素で否定的な目線はあり得るかもしれませんね。

この辺りの考え方はいくらタチウオ釣りが多数派だからと言っても、忘れないでおきたい感覚ではあると個人的には思っています。人気があるといっても別に徳の高いことをしているわけではないので、偉そうにしないようにしたいですね。

ちなみに、フィッシングショーや、店頭出張イベントなどで他地域の方にタチウオ釣りのことを聞くと、他の地域でもタチウオ釣りは人気があるものの、大阪湾ほどの人気があるようには感じられません。

これについては県民性だったり、そもそも大阪湾がタチウオを釣る環境に向いている素地があるのではないかと推測しています。

さて、大阪湾のタチウオ釣り異常人気について考察をしてみましたが少しでも疑問解消の参考になったのであれば幸いです。

当ブログでも大阪湾タチウオ釣りシーズンになれば積極的にタチウオ釣行記事をアップしていくのでご期待ください(^^)