【竿編】、【リール編】に続いて小物編!と、まとめて行きたかったんですがどういう感じで書こうかなと頭の中で考えた時に、「針の解説は結構なボリュームになっちゃうな~1項目で長く書いちゃうと読み疲れるよな~、かと言ってサラっと短く書いても伝え切れそうにないし誤解が生まれてもいけないなと、針編は1記事使うことにしました(^^)
なんで?って、”魚に近い部分ほどこだわるべき”だと考えているからです。ここにこだわれずして違いを生むことなど出来ません(^^)
ということで、今回はハネを対象としたエビ撒き釣りにオススメな針編をお届けします。
たいそうな書き出しからはじめましたが、実際はそれなりに普通のものを選んでおけば竿やリールよりも何選んでも大差無いアイテムではあるので超気楽に読み進めてください笑
しかし魚に近い部分にはこだわったほうがより楽しくなりますよ!
エビ撒き釣りで普段私が使用している針
私の場合は、それはそれは色んな針を試しましたが現在はがまかつ ふかせグレ5~7を愛用しています。4と8は使用した事ありません(^^)
以前は6を多用していましたが、最近は7が一番多いです(^^)
特徴はグレ針にしては軸(針自体の太さ)が細めで、グレ針らしい短軸な仕上がりになっています。チモト(糸結ぶ部分)にラインロックというギザギザが施されていて結んだ糸が滑りにくい点も良いです。難点としてはあんまり売ってないってところでしょうかね(^_^;)
正直グレ針にしては軸が細い気がするのでメーカーが本来狙っているユーザーにはちょっと響かないかなっていう気はします。
なんでこの針になったの?の解説は長くなるので最後のほうにやろうかなと思います。
エビ撒き釣りに最適な針とは?
ハネの特徴の一つとしてその大きな口があります。
その大きな口に針掛かりさせるためには大きな針を使用したほうが良いのですが、エビ撒き釣りというだけあって、餌はエビを使用しますので大きな針だとそもそも付けられませんし、大きな針だと針自体の自重でせっかくの活きたエビの動きが極めて制限されてしまいます。
その為、エビを付けることが可能な大きさで、活きたエビの動きを制限することなく海中を漂い、大きな口に針掛けしやすいフトコロ(針の曲がり角度)の大きな針を使用することが王道とされています。
色々とあるのでサクサク紹介していきます。ぶっちゃけまともな大きさの針なら何使っても良いのですが、逆に選択肢多すぎて選びきれないかと思うのである程度メジャーなものを選抜して紹介していきます。
伊勢尼
ハネを対象としたエビ撒き釣りで一番見かける針は間違いなく「伊勢尼」でしょう。がまかつだけでなく他のメーカーからも出ています。商品名ではなく形状名のようです。
針の形状を見ても惚れ惚れとするぐらい美しい形してますね。
色は他に金色や銀色や、メーカーによっては白とかピンクとか茶なんかがあります。年配の方は金を使ってる率高い気がします。何色でも良いと思います。色にも悩んで色々と使ったことあるんですけど、差は感じられませんでした。
チヌ釣りにも使えるしエビ撒き釣りにも使えるし色もサイズもたくさんあっていろんなメーカーから出てるし万能でオールラウンドな針ですね。どこでも売ってるし。波止での釣りにおいてはこれといった弱点が見当たらず、とりあえずこれ使っておけばまず問題ないだろうといった印象です。エビ撒きハネ釣りではサイズ的には5~7が一般的と思われます。
オーナー針 カット黒チヌ
釣り針の有名優良メーカーオーナー針のロングセラーモデル「カット黒チヌ」 これもよく見かけます。黒を紹介しましたがカットチヌという普通の銀色タイプもあります。
「エビ撒きハネ釣りにはチヌ針がええんや!」という方に支持されているのでしょう。
特徴としては細軸を生かした貫通性とチヌ針らしいネムリ(針先の曲がり)。そしてチヌ針定番のヒネリ(針が若干ひねってある)。キャッチフレーズが脅威の貫通性能というだけあって貫通性を追求した針ですね。
この針でも別に問題はないんでしょうけども、ヒネリがちょっと意見分かれる所だと思います。
ひねってある方向に針掛かりが良くなりますが、逆にひねっていない方は針掛かりが悪くなりますし、針がひねってあることで餌に誘いをかけたときの安定感にも(殆ど気の所為でしょうけど)影響がありそうな気がします。
また、チヌとは違い、ハネの場合は餌を吸い込んで食べるので針が唇にかかることが少なく、針掛かりの角度があまり良くない事が多いので、ひねってある上に細軸となると、ここ一番の大物と対峙したとき、針が伸ばされる可能性が伊勢尼などに比べると比較的高くなってしまうのは事実でしょう。
またネムリもチヌの唇に掛けることを主な目的としていますが、唇に掛けることが難しいハネ釣りにおいてはさほど必要を感じておらず、その辺りに目をつぶることが出来れば十分に良い針だと思います。
そもそもチヌ針ですからね。エビ撒き釣り用ではないのでメーカー的にも知ったこっちゃないでしょう笑
がまかつ 活エビ
こちらも定番ですね。がまかつ活エビ 活きたエビ専用の軽量で細軸の針です。
この系統の針のために当記事をアップしたと言っても過言ではありません。商品名だけで選んでしまっている方の多いこと多いこと。
特徴としてはその軽量さで活きたエビの動きを可能な限り活かし、軸が細いので餌の活きエビへのダメージも最小限に抑え、細軸ならではの針がかりの良さ、貫通性ということろに尽きます。また、軽量なのでハネの捕食時に違和感無くよく吸い込まれそうです。
「へ~餌のエビへのダメージも少なくて、軽いからエビがよく動くし、針掛かりもいいなら良いことずくめやん!」こう思った時代が私にもありました。
良いことずくめっぽいので理論上これを超えるエビ撒き釣りに適した針はないだろうと思い、数ヶ月こればっかり使って、この針で100枚以上釣りました。何もよくわかってないうちは良い針だと信じ込んでいたのですがある程度わかってくるようになると色々と不都合な事実があることに気付きました。
確かに餌のエビへのダメージも少なくて軽くて針掛かりも良いんですが、軸が細いから餌のエビがよくすっぽ抜ける(^_^;) 尻尾にチョン掛けならまだマシなんですが、ちょっと変わった餌の刺し方しようものなら投入~着水で餌が外れて、そのまままるごと一流し餌がついていないことに気づかないなんてことがざらにあります。
さらに、餌が外れずに投入出来たとしても次はハネの捕食時の吸い込みで針だけ残ってエビだけ吸われる事も他の針に比べて多いです。なんせ針が細いですからね、カエシも小さいんです。
エビ撒き釣りでの一番の醍醐味であるツン!と前アタリがあってからのスゥーっとウキが消し込む本アタリですが、この系統の針を使っていると、ツン!(ハネが餌を吸い込んだ瞬間)だけで終わってしまうことが多いですね。私がチョン掛けでなく、鼻掛けを多用していたことも要因の一つではありますが、他の針でならここまで前アタリで終わってしまうことは無いので(^_^;)
もう一つ気になる点としては、この針は結構使っている人が多いにも関わらず、投入時&前アタリ時に餌のエビが外れている事が多発しているのに、「そういうもんだ」程度の認識でいて、餌のエビ外れが多発している事自体に気づいていない人の多さも気になります。
逆に、よく耳にする「軸が細いから折れる。曲がる。」これは私自身あまり感じませんでした。この針で80cm台のスズキも獲りましたが全く問題ありませんでした(^^)
掛かりどころが良ければなんの針でも大丈夫だし、悪ければなんの針でも折れるし曲がります。
ちなみに、この系統の針は他のメーカーからも出ていますが個人的に気をつけてほしい点が、”半スレ”になっているものがあります。
半スレとは、主に針掛かりをより良くする為に、針のカエシの部分が通常よりも小さく出来ていて、貫通性は確かに向上するんですが、ハネを対象としたエビ撒き釣りにおいては前述の、”餌のエビが外れる”をさらに多発させることとなるので、ハネを対象としたエビ撒き釣りでは基本的に使用しないほうが無難です。この活きエビ専用系統の針以外でも半スレの商品は結構よくあるので購入する際にはカエシが通常のものかどうかをきちんと確認してから購入してください。
ちょっと悪評が並んでしまいましたが、垂直ケーソン護岸やテトラ穴などで根魚狙ったりするようなソフトな着水の釣りにはめちゃくちゃ良い針だと思います。そういう使い方なら是非オススメです。むしろ私ならそういう釣りの場合はこれを使いたいです。
また、(ずいぶんと初心者向け情報からは離れてしまいますが)エビ撒き釣りにおいても垂直護岸などで、直下を釣るような釣り方で、円錐ウキなどを使用して潮の動きを利用しハリス2ヒロ以上とってブワーっとふかすような釣り方には結構マッチします。自重が軽いですからね。
糸付きの針もあります
まだ針を上手く結べない方のために、糸が最初から結んである針も売っています。結ぶ手間が省けるものの、ほどく手間がかかるので結び方を覚えてしまえば正直あまり大差ありません。
糸付きの針の場合は各社代表的な針でしか販売されていないことが多く、選択肢があまり無いため個人的にはオススメしません。
当然ですが値段もバラ売りの針よりも高いためコストがかかります。
結び目はさすがに市販品なだけあってキレイですが意外と緩かったりして、魚がかかってもすっぽ抜けるということがあり、悔しい思いをする事が度々あります。
自分で巻いた糸と針なら自分のせいに出来ますが、製品の仕上がりのせいでせっかくの一匹を逃すことがあるので、何か特別な事情がない限りは自分で糸を結んだほうが良いかなと思います(^_^;)
エビ撒き釣りに最適な針。他に紹介するとしたら
一応今回も番外っぽい感じのアイテム紹介しておきます。
がまかつグレ(メジナ)です。
関西のエビ撒き釣り第一人者であり現在でも頂点に君臨している加古氏愛用の針です。加古氏は金色を愛用されておられます。サイズは5~6の使用頻度が高いようです。
グレ針ではド定番の針で、太軸短軸の仕様になっています。グレ針然とした太軸は初めて見た時に「太っ!!」と思ったのが第一印象です。加古氏の合わせはそれはもうダイナミックな合わせで、まさに”針を口に叩き込む”という形容がふさわしく、このぐらいの太軸でないと針が耐えられないのかもしれません。太軸で自重もありますが加古氏はこの針を使用し毎年何百枚も釣果を上げておられますので実績は十分の針となっています。
話は戻りますが、私の愛用している針について
冒頭の方で『なんでこの針になったの?の解説は長くなるので最後のほうにやろうかなと思います。』と書きましたのでこちらも言及しておきます。
これまでに紹介した4つの針は私ももちろん使用してきました。特にカット黒チヌと活エビは年単位で使用していましたが、エビ撒きハネ釣りがある程度わかってくるようになった頃、伊勢尼に辿り着きました。
伊勢尼を使用していると『なんだド定番の針なだけあって全く不足ないわ』という印象を受けました。
が、使い込むうちにグングンと技術も向上しアタリも今までと比べ物にならないほど増えてくる過程で、『アタリは出せるようになったけど、もっと確実に魚が乗る針はないものか』と考えるようになりました。
エビ撒きハネ釣りの場合、アタリはそこそこ出せてもあの大きい口に掛けるのが地味に難しかったりします。たいがい乗るんですけど、季節や日によって吸い込みがどうしても弱いことがあるんですよね。
伊勢尼よりもエビ撒きハネ釣りに向いている針は無いのか
伊勢尼をじっと見つめて思ったのが、この軸がもっと短ければ針掛かりしやすいんじゃないか、食い込みが良いのではないかと。
調べていくとグレ針系統のものは軸が短いものが多く、いかにも針掛かり、食い込みが良さそうです。ただ、グレの硬い口と強烈な突っ込みに耐える為どうしても太軸で、エビ撒きに向かなそうな自重のある針が大半でした。
色々と探した結果、グレ針の割には軸の細い”ふかせグレ”を見つけたのです。さらにこの針の場合、茶色の設定があるのです。餌のエビは薄い茶系なので餌のエビにつけても色の違和感が最小限に抑えられると考えました。
さらに、軸が短いことで針の自重が少しでも軽くなることも魅力の一つでした。
使ってみて全く問題はなかったので”今の自分の理論上これがベストだし、他に変える必要がない”と思っているのでこの針を愛用しています。
個人的には問題ないが、デメリットもある
もちろんデメリットもあります。軸が短い故に歯にあたりやすく、ハリス切れの確率が伊勢尼などに比べると若干高いように感じられます。
さらに、これまた軸が短いことで、軸が長い針に比べると針外れの可能性も若干高まります。
この点に関しては、まず針にかけなければ何も始まらないので掛けてからはある程度なんとかできる問題であると考え、針掛かり優先で短軸のグレ針を使用しています。
また、グレ針にしては細軸とは言うものの、伊勢尼ほどの太さはあり、この針で何百枚も釣って来ていますが針を伸ばされたことは一度もありません。チヌを掛けて硬い所を貫いてペンチで外すときに曲がるとかはたまにあります(^_^;)
次に、デメリットというか不安ですが、この針、釣具関係者では無い私から見ても超不人気針でありまして、そもそも売ってる店が少ないどころか売ってる店でも全然動きがありません。私しか買っていないんじゃないかってレベルです笑(私の地域ではね)
次のカタログでは廃盤になりそうだなって気がしてなりません(^_^;)
エビ撒き釣りに最適な針の総括
長くなりましたが今回も総括したいと思います。
仕様等をまとめると以下の通りとなります。
- 軸が太すぎて自重が重くないもの
- 軸が細すぎてエサのエビが抜けやすくないもの
- 半スレでないもの
- ヒネリは好みで。メリット・デメリットは理解しておく
- あらゆる店で購入が容易であること
結局最適でオススメの針ってなんですか?ということになると
間違いなく伊勢尼です
ハネでもチヌでもその他魚種にも使えて、各メーカーからも出ているので入手も容易。目立った弱点は無く、色も選べる。ちょっと探せばヒネリありの伊勢尼だってあります。まさに攻守に優れた良い針だと思います。ド定番になるのもうなずけます。特に、どこでも買えるというのが大きいですね。釣具店だけでなく、ちょっとしたエサ屋でも売ってますからね。
まずは伊勢尼で魚を100匹釣ってみて、なにか不満や他に試してみたいことがあれば他の針を使ってみれば良いと思います(^^)