時は遡ること10日ほど前。
秋シーズンにはよく訪れる武庫川一文字でエビ撒き釣りによるハネが好調の気配を見せているとのこと。
地波止(地続きの波止)に比べて沖堤防の波止ってのは(個人的な意見)日によるムラが激しい代わりに大きいサイズが混じることがある。
(個人的に)数なんかは地波止のほうがよっぽど安定していて、渡堤する費用もかからない、さらに好きな時に帰れるといったメリットも多い。
が、沖堤防では半端なくデカイやつが釣れる可能性(低いけど)がある。これまで70~80センチオーバーのスズキを幾匹も釣ってきたがそのほとんどは地波止ではなく沖堤防。
やはりデカイやつは沖にいる。
ってことで久々の武庫川一文字や!と気合いれて行こうと思ったが早朝にまさかの強風注意報。
(強風注意報が出ると武庫川一文字へは渡堤出来ない)
しょうがないので結局いつもの波止でやってみると・・・。
サバ天国時々セイゴ。
キツイ・・・。結局ハネを1枚も仕留めることが出来なかった。
行きたいとこに行けなかったストレスとエサ取りに翻弄されたことによってムコイチでエビ撒き釣りしたい欲は爆発寸前。
1戦目。すぐに行きました武庫川一文字でのエビ撒き釣り
元々行くつもりだったが事前に関西エビ撒き釣り界のレジェンド、加古氏に誘われたこともあり同じ場所で竿を並べることに。
上手い人と一緒にやると、自分が今釣れているのか上手くアジャスト出来ていないのかがよくわかるからその点は大きなメリット。
撒き餌に寄ってきた魚をさっさと釣らないと先に釣られてしまうのが大きなデメリット。
朝イチは反応薄かったものの1時間ほどするころには1枚め。
2枚め
その後特に集中する時間もなくポロポロと。
こいつは釣り上げる際にベイトのイワシを吐き出した。
そういう個体は痩せてなくて銀ピカのグッドコンディションであることが多い。
11時便まで。最終的には5枚。最大65センチまで。
基本的に潮は緩慢で大きく動くこともなく右へ左へフラフラするのみかと思えば急に急激な上滑り1時間。
退屈潮か、釣りができないかどちらかしかない典型的な武庫川一文字の潮だった。
この退屈潮のときに我慢して黙々と釣りをやり遂げられるかどうかが武庫川一文字のエビ撒きハネ釣り攻略の一つと言って良い。
私のように海の変化に乏しいとすぐに集中を切らすタイプの人間には基本的に向いていない。
それにしても本当に暑い日だった。朝はそれなりにひんやりするのに日が昇るにつれて夏日かってぐらいの日差し。日焼け止めも要るわ・・・。
釣った魚はキープして子ども食堂へ寄付
ちなみに釣り上げた魚は武庫川渡船の受付まで持ち帰り、売店裏にある釣り堀プールで生きたままキープ。
今年から近所の子ども食堂への食材提供を行っているそうだ。
ハネなんてのは非常に歩留まりが良い魚なので1枚で5~6人前の食材が取れるとのこと。
また、鮮魚の仕入れは価格が割高なこともあり、鮮魚の提供は非常に喜んでいただけるとのこと。
うん、良い試みだと思う。
ぶっちゃけこの一文字の常連さんは魚持ち帰らない派が圧倒的に多いので(釣りが上手すぎて毎回持って帰ると数日で冷蔵庫がいっぱいになる)鮮魚の提供にはうってつけだろう。
また、釣れる魚も白身の淡泊なやつが大半なので色んな料理に応用が利くことも大きな利点と言える。
私のハネ1枚で少しでも笑顔が見られるんなら釣り甲斐がある。
エビ撒き釣りってのはサイズがあがりにくい。
なんで連続で行ってるかって?
まぁ単純にいつも行ってる波止でサバ祭り開催中なのが嫌過ぎる。これが一番大きい。
そして武庫川一文字では現在「ハネ釣り王座決定戦」という2匹長寸のイベント開催中。
エビ撒き釣りでこれを制するのは簡単じゃないんだけどせっかくなんで乗っかってる次第。
数はルアーより釣れるんやけどねえ・・・。サイズが上がりにくいのがエビ撒きハネ釣りの特徴の一つでもある。
なぜか?でかいヤツほど良いエサたくさん食ってる。
↓は釣り上げたハネが吐き出したイワシ。
シラサエビみたいなライトなエサでなく、こういう高栄養価のエサを食うからでかくなるし、そういうやつほどシラサエビよりイワシを食う。
イワシ食えない落ちこぼれの個体は動きの遅い食い放題なシラサエビを狂ったように食う。
そんな風に私は捉えている。
なんの釣りでも「真冬に釣れるとデカイ」ってのはよく聞く話だろう。それはこの件と同じで、真冬でもエサを旺盛に食うような個体だからデカイ。
シンプルにでけーやつほど良いエサたくさん食うってだけのことなんやけども。
そういうこともあってエビ撒き釣りではなかなか簡単に良いサイズが混じらないのが実情。
2戦目。曇った日は朝から暑い。絶好のエビ撒き日和か?
この日は朝から気温が16度もあった。ロンTに上着着とけば全く問題ない。
コンディションもローライトで、潮はゆるゆる。
動いているとはお世辞にも言えないが急激に上滑ってるとかいうわけではないので釣りは出来る。退屈ではあるが。
最終的にはハネ5枚、アイナメ2枚・・・。
ううーん・・・・。前日の経験が全く生かせていない・・・。
全てキープして子ども食堂へ寄付。
3戦目。満月。大潮。これは期待出来ないが・・・
満月で大潮。基本的に潮汐をほとんど気にしない私でもこのタイミングは嫌だなぁと思っている。経験上あまり良い思いをしたことがない。
それでも曇っていればマシかなぁとは思うが、この日は一晩中月明かりが海を照らしていた。
エサを食おうと思えば安全な深夜帯に十分エサを食えただろう・・・。期待は薄いが可能性はゼロじゃない・・・。
ちーん。
予想通り厳しかったと思ったが、倍ほど釣ってる人がいた様子。
「やりようはあったのか」と気づき、作戦を練り直すことに。
この武庫川一文字ってのは本当にそういうことが多い。
「こんなん絶対釣れへんやん」と思った日でも信じられない釣果を叩き出してくる人がちょくちょくいる。そんなレベルの高さが最大の魅力だと私は思っている。
正解は他にある。もっと上手いヤツはいくらでもいる。
まだまだ伸び代があることの証明。それだけでモチベーションが繋がる。
4戦目。曇り。凪。中潮。絶好球。
朝、車のエンジンをかけて思った。
蒸し暑いぐらいだなと・・・。
それもそのはず外気温計を見ると21度をさしていた。
二度見してしまうほどの気温だったが蒸し暑さを考えると本当にそうらしい。
現場へ到着するまでにぽつりぽつりと小雨が降っているエリアもあったが、渡堤後は雨にやられることはなかった。
この時点では正直いつ降ってもおかしくないギリギリの曇天模様。
このスーパーローライトコンディションに加えて、潮はじわぁ~っと、それでいて力強い2枚潮。
潮と風が喧嘩してパッと見の潮の動きとは真逆のようだ。これはそれなりに経験積んでいる釣り人でないと見抜けないのは一投目でわかった。
写真で言えば、左から右へ浮遊ゴミや仕掛けは動いていくが、中の潮は右から左へ動いている。それも力強さを感じるしっかりとした潮。ここ最近では一番雰囲気がある。
潮の動きとは完全に逆方向に撒き餌を打ち続けること1時間。
朝イチにアイナメの掛けバラシをしてしまったが、ほどなくして1枚目。
次の一投。1秒でウキが2ヒロぐらい消し込んでチヌ。
ああいう消し込み方はほぼほぼチヌ。そしてエビ撒き釣りでチヌが釣れるぐらいの海なら確実に期待が出来る。この時点で貧果に終えることはないだろうと確信。
10分後。
さらに10分後。
潮の様子は変わらず、抜群の雰囲気を醸し出している。
意外なことにセイゴが混じっちゃったりもした。
日が昇ったあとも20分と間をあけずに拾っていける
写真が多すぎて正直どれがどれやら。
大して確認してないので同じ写真使ってたらすみません。
ちなみにエサの付け方はこの日99%ちょん掛け。真冬だけ丁寧に鼻掛けするけど春になるとチョン掛け多用な私。
これは、パターンにハメて数釣ってるだけなのか?
止まらない!!連発ってほどでもないが数投でアタリが出せる。めちゃくちゃイージーだ。
多少の技術は要するが、結局気づけるかどうかだけで難しいことは一つもやっていない。
が、ここらへんで他にも気づいたことがあった。
サイズが全く上がらない。
ああ、これはパターンをトレースしているだけで一生サイズあがらないやつだ。と
同じような群れ、同じような性格の個体をパターンでハメているだけであり、それではよほど運が良くない限りサイズはあがらない。
しかしながら経験上、数釣ってるうちにどこかで自分が微妙にアジャストしきれないタイミングが出てきて、それが運良く大型個体に訴求出来るパターンとなり得て大型を仕留めることもある・・・ので、パターンにハメて数釣りしてるだけなのはわかっちゃいるが、簡単にやめることが出来ない・・・。
ここからだ・・・真剣勝負は・・・
時刻は9時を回り、朝のローライトコンディションはどこへやら。
さんさんと陽光が降り注ぐ真夏のような陽気に・・・。
数だけは釣れているので釣るたびにストリンガーへキープしにいく動きだけで汗が吹き出してくる。
時間が経つにつれ、アタリは出しにくくなってきたものの根気よく集中して丁寧に撒き餌を打てばアタリは少しではあるが拾える。
また、「大物は遅れてやってくる」ってのもエサ釣りでは基本中の基本のあるあるなのでアタリが遠ざかって数釣りパターンが終了したこの時間帯こそむしろ気合を入れなければいけない。
微妙にサイズがあがってきた。
チヌは変なタイミングで釣れる。
またチヌかと思うほどの一瞬の消し込みアタリだったが合わせてみると緩めに締めてあったドラグがジジジジジと激しく出た。
「おぉ!?こりゃデカイか!?」と期待したが60センチちょい。
うーーーん。もう一声・・・。
最後の1匹。
エサがあればもう少しは拾えそうかなぁ?と思ったりもしたが、集中する時間帯が長く、結構くたくたになってしまったので無理せず納竿。
抜群の雰囲気だったが人によっては・・・?
ハネ12匹、チヌ2匹となかなかの爆釣に。
帰りの桟橋では他エビ撒き釣り師の会話で「今日はアタリ一つもなかったわ」や「メバルが1匹だけやったわほんまに渋い日やった」という会話がそこかしこから聞かれ、私が感じていた状況とは真逆のようだった。
また、釣果情報を確認する限りでも他の釣り人によるエビ撒き釣りでのハネ釣果は皆無。
このことからやはり私がパターンにハメて同じような群れ同じような個体を釣っていただけなことが伺い知れる。あれじゃサイズは上がらない。
キープして生きたまま持ち帰り、鮮度抜群のハネを子ども食堂へ全て寄付。
ダメ。ゼッタイ。
そしてこの日は残念なことが一つあった。
数人のルアーシーバスアングラーが渡船営業区域を大きく超えて、他の渡船営業区まで不法侵入しちゃってたこと。別に晒し上げる気はないので名前とかは出さんけども。
誰もおらずプレッシャーの少ない場所で一匹でも釣りたい気持ちはわかるがズルはいけない。
昨年の台風被害からやっとこさ復旧にこぎつけることが出来そうな西野渡船や西野渡船の常連の気持ちを考えると絶対に出来ない行為だ。また、ハネ釣り王座決定戦イベントのルール上からみても明らかな不正であり、フェアでは無い行為。出来れば2度と顔を見たくない。
当ブログを見るような賢明な読者一同におかれましては絶対に真似をせぬようお願い申し上げる次第です。
今回の使用タックル&釣行メモ
メモ:針外れ1(多分アイナメ)素針2~3回、タモ入れバラシ1、おさわり2~3回。11時便まで。エサがあればもう数枚は拾えそうな雰囲気だった。武庫川一文字の正解パターンを貫くか、あえてパターンを崩すのか。ちょいちょいどちらも試していくのが良さそうだが・・・。
ロッド:がまかつ MASTER MODEL2口太MH 5m
リール:SHIMANO 13BB-Xハイパーフォース 2500DXG
道糸:サンライン テクニシャンNEO 3号
ハリス:シーガー グランドマックスFX 2号
ウキ:自作棒ウキ 0.8号
針:がまかつ ふかせグレ 7号
他にもエビ撒き釣りシリーズがあるので興味のある方はどうぞ(^^)