週末はあいにくの風と雨で釣りに行くにはちょっと微妙かなぁと。
基本的に夏シーズンには釣りをしない私に今年の上半期残された時間は少ない。
とは言えこの悪天候じゃ渡船も船も出てねーし波止じゃせいぜいツバスとかサバが釣れてる程度。
年中釣りをしている私にとっては少々物足りないターゲットなわけです。
ビッグバッカー鰤カスタム買ったので軽くインプレというかレビューというか
ってことで「夏~秋あたりの釣りに備えてなんか釣具屋でも物色すっかー」と思ってふと近所の釣具屋へ言ってみると珍しくジャッカルの「ビッグバッカー鰤カスタム」が入荷していたのでリアクションバイトしてみました。
ビッグバッカー鰤カスタムについては新発売というわけではなく以前から存在していたものですが出荷数がごく少なく、入荷即完売してしまった幻のレアルアーの一つです。
ちなみにそのとき私も一個買って使ってみましたがブリを掛ける前にサゴシだかタチウオだかに持っていかれてしまって、それっきり。
で、買った鰤カスタムを釣具ボックスに放り込もうとしたら通常バージョンのビッグバッカーも新品のままいくつか放置してありました。
せっかくなんで比較でもしてブログ書いてみるかーって気になったわけです。
上がブリカスタム、下が通常バージョン(ヘビーウェイト版)
どちらも「ビッグバッカー107」という大きさで、完全ノーマルバージョンは27gのものが発売されていますが私がメインとしている沖堤防なんかではヘビーウェイト版の35gのほうが都合が良いのでそちらとの比較。
まぁ、27g版(ノーマル)と比較しても違いが多すぎて逆に当たり前すぎるし、そもそも青物狙おうってビッグバッカーなら一般的に35gのほうかと思うのでこれはこれで良かったかなと思われます。
BIG BACKER BURICUSTOMの裏書き
右側がブリカスタムで、左が通常のほうです。
どちらも「集魚力の高いロングボディとナチュラルなスリムシェイプ」という記述があります。
通常バージョンのほうには「ブリ級の大型青物をターゲットにする際にはさらに太軸のフックに交換をお願いします」と書かれていますね。「推奨します」みたいな書き方ではなく「お願い」です。
シンプルに「通常バージョン(35g版)のフックでは大型ブリ相手じゃ役に立たねーよ」と明言していると言えるでしょう。正直で良いことです。
まぁ、マジで大型青物を35g版で狙う人は言われなくてもフックを太軸のモノに替えてるかと思います。替えずに使ってる人はこれまでたまたま運良くランディング出来た人かブリを掛けたことの無い人でしょう。
ブリカスタムと通常版を開封してみる
上が通常版で、下がブリカスタムです。
ちょっと下からナナメに撮っちゃってるのでブリカスタムのほうが大きそうに見えますが長さは同じです。
全体を比較してみる
次に、全体を見てみましょう。
上が通常バージョンで、下がブリカスタム。
もはやほぼ別ルアーなぐらいに各所違いがありますね。
ブリカスタムのほうがとにかく流線型。
上から見てみる
こちらが通常バージョン。
こちらがブリカスタム。
わかりにくいので並べてみました。
横から見た時にはブリカスタムのほうが流線型だったのに対して、上から見るとブリカスタムのほうがややボリュームがあります。
あえてボリュームを出したのか?40数グラムというウェイトを出す為に太さが出てしまったのかはわかりません。ここの太さが出ると全体のバイブレーション感は一般的には弱まります。
波動が弱くなるのを承知であえて太くしたのか?流線型の形状やウェイトを維持するためにあえて太くしたのか?これはテスターや担当者の口から語られないことにはわからない所ですねえ。
どっちが良いかなんて一概には言えない問題でしょうし、そもそもウェイトやバイブレーション云々ではない理由かもしれません。
横から、顔のアップ
上が通常版、下がブリカスタム。
ブリカスタムのほうがシュっとした顔してます。微妙に小顔。
これは流線型をさらに強めたってことでしょう。
横から、ボディのアップ
上が通常版、下がブリカスタム。
ここはあからさまに大きく違いますね。
いかにも波動出しそうな複雑な形状をしている通常版に比べて、ストンとスッキリしたシルエットのブリカスタム。しかしボリュームはブリカスタムのほうがありますね。
横から、テールのアップ
上が通常版、下がブリカスタム。
見落としがちなテールの形状も違いが見られます。
角度も微妙に違うし、テールの最後方のカットも違います。
ここは通常版と同じでもウェイトに差は出ないでしょうから、確実に何か意図があってこういう差を付けていると思われます。
わざわざ変えたってことはこのぐらいの違いでも差があるってことなんでしょうねえ。
ルアーってのはこういう小さい所に作り込みしてるかどうか?が現れるものです。
要のフック。
フックです。ここはパッと見で一番の違いが現れている箇所ではなかろうかと思います。
こちらがブリカスタム。
こちらが通常版。
左がブリカスタム、右が通常版で並べてみました。
明らかにフックの大きさ、太さが違います。
また、スプリットリングの太さも違っていて、「なるほどこれならブリとガチンコの引っ張り合いしても耐えられそうだ」ぐらいの太さを感じます。
逆に通常版のほうは「これじゃ掛かりどころが良くないと簡単に曲げられる」感じです。
フックの色も微妙に違っていて、ブリカスタムのほうは微妙に黒味を帯びています。コーティングなのか、仕上げの焼き温度なのかは情報が見当たらないのでちょっとよくわかりませんが公式サイトによると耐力32.56kgとのことなので尋常じゃない強度のものを採用しているようです。
腹のアップで比較
こちらが通常版。
こちらがブリカスタム。
通常版に比べてブリカスタムのほうがやはり流線型です。
通常版はアゴが角度がついて扁平な形状なのに対してブリカスタムは丸みを帯びたデザイン。
そしてフック接続部分はプレートを覆うようにして補強されています。
さすがに通常版のほうでブリを掛けてもこの部分が破断することなどほとんど無さそうですが万が一を想定しての形状ですね。
一体どんなブリを想定しているのか・・・。
また、この補強があることでフックの可動域が狭くなりリーダーラインやスナップアイ部分にも絡みにくくなるようです。というかそちらのほうがメインの狙いのようです。
付属のスナップと、アイはどうか
付属のスナップが一つ付いています。
ルアーを買って、スナップがついていたら何も考えずにそのまま使う方のほうが多いかと思いますが、なぜかこれが貧弱でせっかくの獲物を逃してしまうことが割とあります。
どうせなら最初から無いほうがマシとすら思うことのある箇所です。
上がブリカスタム、下が通常版。
スナップも大きめのものが装着されていますね。しかしながら太軸フックの耐力32.56kgに見合うようなスナップには見えません。
まぁ、この手のスナップなら1匹釣るぐらいなら基本的には大丈夫かなぁとは思いますけど「1日に何匹も釣る」みたいな状況だと少し頼りないかもしれないので他社製の強力なスナップを別途購入するとより安心かなと思います。
刻印部分
最後に刻印部分。
ブリカスタムには鰤CUSTOMと記されています。
多少、特別感はあるかもしんないです。
通常版のほうはこんな感じ。
ジャッカルのルアー全般に言えることなんですけど、ルアー本体にウェイトが記入されていないのでどのルアーが何gだったか記憶しておく必要があります。
バス用ルアーなんて似たような形状がめちゃくちゃあるのではっきり言ってウェイトが全くわかりません。
絶対話題に上がったことあると思うし、ユーザーから何度も言われてると思うんですけどね、なんかそういうポリシーでもあるのかなぁ・・・。めっちゃ不便。
ジャッカル ビッグバッカー鰤カスタムのインプレ評価
まぁたかだか一個のルアーでよくもこれだけ長々とレビューしたもんだなと自分で思いますが一応総括っぽいことしておきましょう。
一応メインテーマは「比較」なんですけど、比較は比較で、ただ比べるだけでしかないので比較した上で、どう思ったか?を一応述べていこうかなと。
正直、どちらが良いとか誰にも断じることが出来ないとは思うので個人的な感想になりますけどね。
流線型の是非
ブリカスタムについては、通常版と比べてとにかくその「流線型」のデザインが挙げられます。
小顔にシェイプされた所から始まり、顔の底面形状、ボディのウェイト部分からテールに至るまでとにかく丸みを帯びています。
これはパッケージ裏にも書いてあるように「抜群の飛距離」を一番に意識したものかと思われます。青物を釣るとなるとそれなりに「追わせる距離」と、青物自身の強い回遊性から「探す距離」が必須項目と言えます。エサなら運が良ければ足元で釣れることもあるんですが、ショアからルアーで釣ろうと思ったら飛距離はマストであり最強の武器になります。
しかしながらその流線型デザインの為に通常版に比べるとわずかでありますが波動の強さは失われています。
実際に私が使用してみた時もウェイトの重さからそれなりの引き重りがするものの、「ウェイトの割にはさほど引き抵抗(巻き抵抗)は重くない」ってのが第一印象でした。
これは当然引き抵抗が少ないからこそ生まれる印象ですが、当然波動の強さも印象の通りと言えます。
逆に引き抵抗が少ないことで早く巻ける、疲れないなどの他メリットは生まれます。なので流線型デザインについては各人の好みやポリシー、状況によってメリットデメリットにもなり得ると言えるでしょう。
波動の強さっつったって強けりゃいいってもんじゃないでしょうし、ほんとどっちが良いかなんて簡単に線引きすることは出来無さそうです。
ジャッカル 鰤カスタム 買い?
まぁ結局、「で、買いなの?」ってとこですね大事なのは。笑
「別に普通に売ってるならブリカスタムでいいけど、通常版35gのフックを太軸に交換でいいかな」
でファイナルアンサー。
まぁ、ブリカスタムでブリ釣りたいんや!って人はブリカスタム一択。
あくまで大阪湾の波止あたりの大物釣れてもブリぐらいって海の話。
ゲストでシイラやカンパチやヒラマサが掛かっちゃうような海は別です。
「じゃあおまえなんで買ったんだよ」
というツッコミもあろうかと思いますが珍品には目がないタチなのでついついリアクションバイトしてしまいましたとしか。ただのコレクション欲ですね。ハイ。
で、通常版35gのフック交換で事足りるだろうという理由としては、ブリカスタムは本当に大型青物を釣ることに特化して作られているので、「小~中型青物「タチウオ、ハマチ、サゴシ、サバ、大アジ、そのほかゲスト」も釣れるなら釣りたい」って時には3フック仕様の通常版&35g版のほうがどう考えても都合が良いです。
特にサゴシやタチウオみたいな噛みつき系バイトの針掛かりしにくい魚種に対してはブリカスタムのような2フック仕様より3フック仕様のほうか明らかに有利。バレやすいバレにくいの宗教戦争は一旦置いといて、針掛かりの良さの点で。
もちろん3フック仕様のほうが針が多い分トラブルの回数は多いんですけどね。2フックでもトラブるときは普通にトラブるしね。
で、通常版を太軸に交換と言っても、そのまま太くてデカイ針に交換すると針同士が絡みあってトラブル多くなるので、フックの大きさはそのままで軸だけ太いものに交換するようにしましょう。オススメはオーナー針のSTXシリーズです(^^)
ルアービルダーとしての矜持を垣間見た気がする
私はブリカスタムではなく35g版で事足りるとは言え、こうやって細かく比較してみて細部の違いがより明確に出る結果となりました。
正直言ってそこまで各部分色々イジらなくたって大差はないと思うんですよ。ほんとに。ぶっちゃけね。
なんかもうちょっと手を抜いても十分「ブリカスタム」ってワードだけで人を釣ることが出来たと思います。
よくあるじゃないですか、釣りのジャンルでも、糸を太くしただけでパワーなんたらゲームとか、ウェイトを軽くしただけでライトなんとかゲームとか、水深が深くなっただけでディープなんとかみたいな。元々あるのにさも新しい何かのように見せたがる浅ましいやつ。
あんなノリでブリカスタム名乗ってもよかったと思うんですよ。それで十分売れたと思います。
でも「パっと見は大差無いけどよく見たら結構イジってる」これにシビレました。
ジャッカルっていうと何かとノリの軽いお兄さんがメディアに出てワイワイしてるイメージなんですけども、ルアービルディングという目線で見るとなかなかの仕事ぶりがうかがえます。そりゃー人気も出るわなぁ。
以上、ビッグバッカーブリカスタムを通常版と比較してみたの記