今年もいよいよタチウオシーズンが目前まで迫ってきています。
私も早く太刀魚を釣りたくて震える毎日です。笑
シーズンが本格的に始まる前にこれからドジョウやキビナゴを餌にした波止からのテンヤを使用した引き釣りにおける最適な竿の解説や紹介をしておきたいと思います。
引き釣りとは?
まず、引き釣りとはどんな釣りなのかをおさらいしておきましょう。
当ブログで紹介したので引き釣りについて知識のあまり無い方は参考にしてください。
引き釣りとは大阪湾で盛んに行われている太刀魚を対象とした釣法で、他の釣法に比べて釣果が出やすいことから、定番でありつつも近年さらに人気の高まってきている釣法です。
今回はそんなタチウオを対象とした引き釣りでの竿の選び方やオススメ竿の紹介をします。
私が使用する引き釣り用ロッド
色々と所有していますが私の場合はもっぱらシーバスゲームに使用される竿を使用しています。
今年(2017年)はDAIWAのモアザンエキスパート87LMLをメインで考えており、場合によってはヤマガブランクスのバリスティック TZ NANOも併用していく考えです。
※↑2017シーズンは結局全然違うシーバスロッドをメインで使ってます(^_^;) 詳しくは釣行記で・・・
2つともシーバスロッドですが、理由は後述していきます(^^)
引き釣りにおすすめ、最適な竿は?
私もシーバスロッドを愛用していることから、やはりシーバスロッドがオススメです。
シーバスは極めて人気の高い魚種で、竿も選択肢がたくさんあります。そのほとんどがタチウオを対象とした引き釣りに流用することが可能で、竿の機能自体も引き釣りに大変適しています。
非常に高感度なものから、粘りのある弾性重視のものまで様々なので各人の好みで選ぶことが可能です。
値段の幅も1万円以下のエントリークラスから10万円級の高級機まで選び放題です。笑
引き釣りにおいては必要十分な要件さえ満たせば高級機は必要ありません(^^)
具体的に引き釣りオススメロッド
それでは具体的にオススメの竿を紹介していきます。
全く問題なく使えるおすすめの2機種
この竿は私も所持しており、引き釣りで数百匹のタチウオを仕留めてきました(^^)
感度の点で大変気に入っており私の中では殿堂入りの竿であります。
この価格帯でなぜこの感度?というほどの伝わり方をしてくれます。私の所有している高級機と比べても勝るとも劣らない水準です。奇跡的にバランスが良いんでしょうね。
※20170917追記
高級~中級機に比べると張りや弾性は大幅に劣るものの、よく曲がる竿なのでタチウオとのやり取りにおいてはむしろ高級機より向いてるかもしれません(^^)
さすがに高級機と比較すると感度はわずかに劣りますが引き釣りでの使用であれば全く問題ありません。
こちらはダイワが出しているエントリークラスのシーバスロッド代表格のラテオです。
ネット上の評判を見てもディアルーナとは常に比較され続け、十分に渡り合っている名竿のようです。
残念ながらこの竿でタチウオを釣ったことはないのですが釣具屋で触って曲げてみた感じでは全く問題なく使えそうです。数々のネット上での評価が裏付けていますね。
※実勢販売価格は私がチラっとネットで調べた相場なので店によって上下はあります。
この2機種は全く問題なくタチウオを対象とした引き釣りで使用することが出来ます(^^)
硬さと長さはどう選べば良いのか
硬さはMLを基準で選んでください。L(ライト)でもM(ミディアム)でも出来ないことはありませんが理由が一応あります。
Lクラスの硬さ
Lならその柔らかさを生かしてタチウオとのやり取りを有利に進めることが出来ますが(抜き上げ)釣り上げる際に折れる可能性が比較的高いです。
また、柔らかいのでフッキングが甘くなりがちなのと、その柔らかさ故に手感度は硬いクラスの竿には劣る場面が多々あります。Lクラスは正直あまりオススメしません。
Mクラスの硬さ
Mだとタチウオとのやり取りにおいては少し硬いのでバレる可能性が比較的高いです。Mクラスの硬さでバレる?と不思議に思う方もいるかもしれません。タチウオの引きは他の魚種とは違い、(左右にも走りますが)基本的にはバックするように引っ張るのでタチウオが諦めた時、びっくりするぐらい急にテンションが抜けるのです。その時にバレます。Mクラスだとテンションの抜けを吸収しきれない事があります。
しかし、硬いので抜き上げには滅法強いです。ゴリ巻きしてきて、海面まで一気に浮かせて一気に抜き上げられます。キロを超えるタチウオも問題ありません。
これで竿を折ったら不良品か抜き上げ方がよっぽど悪かったと言えます。
また、竿自体が硬いので手で感じる感度はLクラスよりも優れている場面が多いと言えます。
MLクラスの硬さ
MLだとその中間ぐらいで使用できますが、ドラゴン級(1mオーバー)を海面から抜き上げる際に折れる可能性が若干あります。抜き上げに慣れていない、ストレートに言って下手くそな方は折るかもしれませんので注意してください。海面と平行に、慣性が発生しないように”スっと”抜き上げるのがコツです。
抜き上げについて
抜き上げについても大事なので触れておきます。
波止でのタチウオ釣りは多くの場合で、タモを使用せずそのまま抜き上げます。タモを使うとタモの隙間に入り込む、噛み付く、絡みつく、リーダーに噛み付くなど様々なトラブルに見舞われるので抜き上げが可能であれば基本的には抜き上げます。その際に、足場が高い波止だと、抜き上げに失敗して竿を折るという話をよく聞きます。
そのため、抜き上げが可能な竿を選ぶ必要があるわけですね。
だいたい1m超えるサイズだと1kgオーバーしてくるので、抜き上げ時の慣性力も考えると竿の強さは倍以上の余裕を持っておきたいです。目安としてはPE1号で4kg程度の強度があるので、PE1号を扱える竿が最低の目安かと私は考えています。
PE1号が扱える竿なら基本的には4kgぐらいのモノを持ち上げる強度があることになり、1kgを少し超える程度のタチウオを抜き上げても理屈の上では大丈夫ということですね。ただしキャパシティがPE1号が最大で設定してある竿だとちょっと怖いかなぁという印象は否めません。
そのへんがクリア出来れば、あとは抜き上げ時の力加減や角度次第となりますね。
ロッドの長さ
長さは8.6ft~10ftぐらいがオススメになります。あとは好みです。
当然ですが長いほうがやり取りは楽になりますが風に煽られたり重量が増えます。
短いほうがやり取りは難しくなりますし、抜き上げもやりにくくなりますが、軽さや操作性は良くなります。まさに好みと言えます。
私は8ft台が好きです。理由は色々ありますが、確たるものはありません。殆ど好みです。笑
武庫川一文字や岸和田一文字などの足場が比較的高い場所でも同じ長さで結構です。
紹介した2機種にも弱点はあります。
今回紹介したディアルーナとラテオですが、竿自体の性能には全く不満がないものの、どうしても避けられない弱点があります。
それはステンレス製フレームのガイドです。
普通に使用して普通にマメなメンテナンスをしていても根本にクラック(ヒビ)が発生し、そこへ海水が侵入し、錆びます。錆びたところで簡単に折れたりはしないんですけど気分的には非常に嫌です。笑
クラック内の海水を釣行毎に拭き取るのは殆ど不可能であり、この錆びについてはほぼ不可避であります。
自分でレジン(ガイドを留めている樹脂)を足したりする方法もありますが、完全に防止することは難しく、錆びはステンレス製ガイドの宿命と言えます。
他は特に問題ありません。笑
もう少しだけ予算を足せるなら
ステンレス製フレームが錆びるのは嫌だなぁとか、せっかくやるならもう少し高い竿使いたいなって方はこちらの2機種がオススメです。
この2機種は前述のロッドのワンランク上に位置しているクラスで、共にガイドがステンレスではないものが装着されています。竿自体の性能については前述のロッドと大差なく、グリップやガイドで値段差がついているものと思われます。
ワンランク上なのにいきなり価格が飛びますが、ぶっちゃけ価格ほどの差はありません。ガイドの差が一番の差です。
実勢販売価格 33,000円前後
ガイドにはチタンフレームガイド、トルザイトリングを使用し、軽さと耐久性、トルザイトリングによる感度向上が図られています。チタンなのでほぼ錆びません。
DAIWA ラブラックスAGS (LABRAX AGS) スピニング
実勢販売価格 30,000円前後
ガイドにはダイワの独自技術エアガイドシステムが搭載され、軽さと感度の向上が期待できます。エアガイドシステムに使用されている素材が完全に明らかにされていないので詳細はわかりませんが、錆びません。基本的にはカーボン繊維で出来ており、錆びた話を聞いたことありません。
逆に安いロッドはなぜオススメされてないのか
最初に紹介した2機種(ディアルーナ、ラテオ)以下のロッドは今回あえてオススメしませんでした。
理由としては、安価な機種に装着されている「ガイド」です。
ディアルーナ、ラテオ以下のクラスだとガイドはもちろんステンレスフレームで錆びやすい上、ガイドフレームの形状がYフレームガイドなことが多いからです。
引き釣りにおけるガイドフレーム形状の重要性
「またガイドかよ」となるんですが、本当に重要な所なので少し掘り下げておきます。
私達が普段使用しているガイド付きの竿にはガイドフレームと呼ばれるリングを支えるフレーム部分があります。このガイドフレームの形状には理由があって様々な形をしています。
10年ほど前まで主流だったY型のガイドは現在でもエントリークラスのソルトルアー用ロッドに数多く装着されており、PEラインで使用すると非常に絡みやすく、引き釣りのような夜間にする釣りでは大変扱いにくいガイドフレームとなっています。
引き釣りは夜間にすることが殆どなので、絡むとほどく手間はかかるし、短い時合の最中に時間を取られます。それだけならまだマシなほうで、「キャスト途中にガイドに絡んでPEラインが切れ、テンヤが飛んでいってしまう。変な負荷がかかって竿が折れてしまう」というトラブルに見舞われることもあります。
キャスト技術である程度どうにかなる問題ではありますが、向かい風の時はどれだけの熟練者でもトラブルに見舞われやすいです。
そこでYガイドに代わって登場したのがKガイドと呼ばれるガイドフット部分に膨らみをもたせたガイド形状のものです。
この形状のガイドは今までのYガイドよりも絡みにくく設計されており、夜間での釣りでもトラブルが比較的少なくて済みます。
ただしYガイドよりも比較的高価なため、1万円台ぐらいの低価格帯シーバスロッドにはあまり装着されていないことが多いようです。
安価なものでKガイドを装着されているものであればガイド面では問題ありませんが、安価なのにKガイド搭載となると、どこでコストダウンしているか容易に想像できるので、そういった理由も含めて今回のオススメロッドからは安価なものは除外した次第です。
なんでシーバスロッドなの?
引き釣りにシーバスロッドをオススメした理由はほぼ全て言及しましたが消去法的な角度からも触れておきます。
そもそも引き釣り用の竿とか売ってない
まずこれですね。笑
いくら引き釣りが人気あるからといって専用の竿は販売されていません。あるかも(あったかも)しれませんが私は見たことも聞いたこともありません。
専用を作らなくても他魚種の竿でいくらでも代用できることが主な理由だと思われます。
また、引き釣りには絶対必要な要素というものが確立されておらず、それが専用竿の無い理由の一つとも考えられます。
エギングロッド
エギングロッドでも代用可能です。引き釣りで使用できます。
※現在では様々なタイプのエギングロッドが販売されていますが、基本的なエギングロッドの特性で説明しています
シーバスロッドとの大きな違いとしてはエギングロッドのほうが軽く、エギを勢いよくしゃくる為、高弾性(シャキっとしてる)な仕上がりになっていることが殆どです。
軽い部分は大いにメリットなのですが、高弾性な部分が引き釣りには特に必要ありません。
まず、エギと違って高弾性の特徴を生かしてテンヤをシャキシャキ動かす必要性がほぼありません。
もうひとつ大きな理由としては、高弾性であるがゆえにタチウオとのやり取りにおいては竿の曲がりが足らずバラしてしまう場面が出て来ます。
タチウオのファイトは他の魚種とは全然違うもので、左右に走ることもありますが基本的には体勢をこちらに向けたままバックするように引っ張ります。
その為途中でタチウオが諦めた時に、突然ラインテンションが抜けてバレることがよくあります。この時に竿がしっかり曲がっていればある程度吸収出来るんですが、高弾性な竿だとどうしても常時しっかり曲げておくことが難しいので、やり取りの部分においてシーバスロッドのほうが遥かに有利かなという印象です。
しかし高弾性なだけあって高感度なので、引き釣りでの繊細なアタリは取りやすいと言えます。この部分はわずかにエギングロッドのほうが有利かと思われますがシーバスロッドでもアタリは十分に捉えられるので特に大きな差だとは考えていません。
次に地味に痛い部分が、高弾性なので竿が折れやすい点です。高弾性の竿というのは基本的に竿のカーボンシート自体に混ぜもの(樹脂)が少なめになっているんですが、それ故、夜間に釣りをする引き釣りではちょっとした不注意で竿を折ってしまうというトラブルにも見舞われやすいことにも触れておきます。
2017/09/22 追記
ここの所、引き釣りをやったことのない人に引き釣りを教えるという役割を2人連続してやって、2人の方がたまたまエギングロッドを持ち込んでの釣行となりました。
実際に触ってみて、釣ってみて感じたことは、やはりエギングロッドでは掛けてからの竿の曲がりに少し不満が残ります。タチウオが諦めてフッとテンションが抜ける時に吸収しきれない印象が否めません。エギとテンヤは全く操作性の全く異なるもので、エギ操作寄りに極端な仕上がりになっています。
シーバスロッドの場合様々な場面を想定してバーサタイルに仕上がっていることが多いので、総合的に見てやはりシーバスロッドのほうが引き釣りには向いているように私は感じました。
とは言え ↓
とは言え、1シーズンで何百匹釣れるか?というガチな引き釣り人の中でのこの竿だから獲れた獲れなかったの数十匹程度の話なので普通に引き釣りをする分にはエギングロッドで十分に代用可能です。笑
タチウオ釣りでワインドもやるよっていう人は、ワインドでもエギングロッドは使えるのでそのまま代用してもらったほうが良いと思います(^^)
なぜ私が高級機ばかり引き釣りに使っているのか
冒頭のほうで私の所有しているシーバスロッドを載せましたが、まぁなかなかの価格帯ロッドばかりです。
はっきり言って引き釣りをする上で過剰なスペックであり余分なスペックでもあり、無駄な出費とも言えます。
しかし!
考え得る限り最高のタックル、バランスで望んでそれで釣れなかったら、それはもう腕が悪いせいと言えます。もし隣の釣座の人が私よりも安価なタックルを使用し、同じ引き釣りで私よりも釣ったとしたら?それもう私の技術が未熟だからに他なりません。
そうやって言い訳する余地の一切を省きたかったことが最大の理由に挙げられます。
また、仮に私が、「隣の釣座の人」だったとして思うことは「えらいええモノ使ってはるなぁ。そんな高級なもん使てはるんやったら、さぞ釣るんでっしゃろなぁ~?w」です。笑
そういうプレッシャーも自分にかかるように仕向けるためでもあります。
ここ2年ほどは隣の釣座の人に釣り負けることは一度もありませんでしたが、それは今までの話であり、今後いくらでも周りが上手くなっていく中で、自分も成長し続けたいと考えた末、高級機を使うことによる「負の2大プレッシャー」を自分に課しました。
高いもの使えば釣れるわけじゃない、ただの自己満足が大半。重々承知しています。
まぁ大した話じゃないんですけどね。そのぐらい真剣に考えてますよってことで。
引き釣りにオススメのロッド総括
つい熱くなって長々と駄文を垂れ流してしまいましたがタチウオを対象とした引き釣りでのオススメロッドの仕様等をまとめると以下の通りとなります。
- 8.6~10ft程度のシーバスロッドもしくはエギングロッドであること
- タチウオを抜き上げる際に折れない硬さのもの
- Kガイド搭載のものであること
- Kガイド搭載でも安すぎるものは注意すること
と、たった4点ですね。笑
細かく言えば、グリップの長さとか、竿自体の重さとか色々あるんでしょうけども、そこらへんは本当に好みの世界なので「ある程度正解」すらありません。笑
ちなみに私は長めのグリップが好きです(^^)
今まで選択肢が多すぎて何を買って良いのかわからなかった方に少しでも参考になったなら幸いです。
引き釣りにおける釣り道具シリーズは他にも掲載する予定なので、気になる方はそちらのほうも楽しみにしていただければと思います(^^)
いやーしかし、シーズンインが待ち遠しいですね。早くドラゴン釣りたい!!!
他にもタチウオ釣りシリーズがあるので興味のある方はどうぞ(^^)