【チューニング】リール屋ピカレスクでリールをオーバーホールしてきた その2【メンテナンス】 | ツリタノ!

【チューニング】リール屋ピカレスクでリールをオーバーホールしてきた その2【メンテナンス】

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大阪泉佐野市のリール屋ピカレスク(以下ピカレスク)でリールをオーバーホールしてきた際のレポートその2となります。

その1についてはこちらからご覧ください。

今回のその2では、実際に私が直接持ち込んだ際の体験記となります。


2018年7月追記:新しい記事をUPしました


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リール屋ピカレスクへ、意を決して。

今回オーバーホールを依頼したリールに不具合は感じていなかったが、去年~今年の釣行ペースであれば、リールに見えないガタが来ていないか?など心配になっていた。

そんなわけでリールのオーバーホールをしたいと常々考えていたが、いかんせんメーカーのオーバーホールを全然信用していない私。高いし、時間かかるし。

そんな時にネットでリールメンテナンスについて調べていたところ、偶然見つけたリールのメンテナンス専門店。しかも大阪にある。しかし泉佐野市・・・!!!

大阪在住の私からすれば、大阪とだけ聞けば近いような感じがするが、泉佐野市は大阪の南部に位置しており、市内からは高速を使っても1時間ちょっとかかる場所である。

私にとってはちょっと覚悟のいる距離だ。

調べてみたところ、ピカレスクは泉佐野市の駅近くで、大阪府民にはおなじみのりんくうタウンの近くだ。少し遠い気がしたがネットで調べた所、腕は確かですこぶる評判は良さそう。

7月21日からはNintendoSwitchのスプラトゥーン2がやりたかったので、なんとかそれまでにリールをメンテナンスして秋シーズンに備えておきたいと、ギリギリの20日にピカレスクへリールのオーバーホールを依頼。意を決して直接持ち込むことに。

車を1時間と少し走らせて、ピカレスクを目指す。近隣のコインパーキングを事前に調べていなかったので多少迷子になったが、ちょうど良い所に安いコインパーキングがあったのでそこに停めることに。

今回停めた駐車場はこちら

ラッキーパーキング泉佐野駅前。

当日は梅雨も明けたばかりで、日差しは完全に真夏のものとなっており、大変な暑さ。

南海鉄道の高架下にコインパーキングがあり、空いていたので、そちらに停めようとしたら15分100円の最大料金が1800円。どおりでガラガラなわけだ。

あたりを見渡したらこのパーキングがあったのでこちらに決定。屋根ないから車暑くなるけどね。

入り口がとてつもなくわかりにくいので入り口への写真も。手前に写っている中華料理屋さんが目印といえば目印。

ピカレスクは南海泉佐野駅から徒歩5分程度

駐車場からもゆっくり歩いて徒歩5分程度。

やや早く到着してしまったので車の中で十数分待機し、5分前に店の前に到着。

ピカレスクは谷口病院という中規模な医院の裏手に位置している。

隣は奥様が切り盛りされておられるお好み焼きの「Sパラ」

やってまいりました。リール屋ピカレスク。

アメリカンでオールドなステッカーがたくさん貼ってあり、確実にタダモノじゃない人がこの扉の奥にいることがうかがえる。

予約した約束の13時

13時になったが準備中の札はそのまま。

隣のお好み焼き屋は営業中のようだったので恐る恐る声がけすることに。

気さくな奥様に店主を呼びにいっていただけた。

数分夏の日差しに焼かれながら待っていると店主がお店をOPEN。

最初はかなりとっつきにくそうな印象だったが話をしているうちに、次第に印象は変わっていくことに。

今回オーバーホールしたいリール

まずは今回持ち込んだリール

全てSHIMANOで

  • 12アンタレスx2
  • スコーピオンXT1000
  • 15ストラディック
  • 16ストラディック
  • BB-Xハイパーフォース2500&2000

計7個

確実に即日でやっていただける量ではないことが事前にわかっていたので、出来なかった分は配送でお願いしますと伝えた。

そしてオーバーホール作業が開始

事前に伝えていたはずだが量の多さに困惑する店主。

「まぁ出来るとこまでやってみますわ。でも一人のお客さんに時間全部使うわけにはいかないんでね。全部は難しいと思います。」とはっきり伝えられる。

全部は難しいことは事前に問い合わせでわかっていたので、私もちろん了承。

どのリールからやっていくのか優先順位だけ取り決めて作業開始。

SNSやブログ用に写真を撮らせていただく許可を取り撮影。

えげつないスピードで分解していく店主。

一瞬で丸裸にされていく愛機のハイパーフォース。

後ろを振り返ると愛猫ちゃんが寝ている。ご主人様の近くで安心しきっているようだ。

多少ネジが甘かった為、空回りするトラブルがあったものの、店主の前では全く問題にならず数分で本体が完全にばらされた。笑

はーいバラバラでーす。私なら一生かかっても組み上げられませーん。

ここから清掃&グリスアップしつつ一つ一つ丁寧に、そしてスピーディに組み上げられていくリール。

リールの分解工程においては分解した部品を、分解した順番で並べていくことが常識だと思っていたが店主は分解してそのまま不規則にポンポン置いていく。

話をうかがうと、店主にとってはリールの構造なんか大体どれも同じであり、「手が覚えている」とのこと。かっこよすぎるぜ。

ピカレスク店主のこだわり

途中でベアリングは全てチェックされ、異音や違和感のあるものは全て交換することになった。

せっかく持ち込んできたのだから多少の追金が発生しようとベストな状態にしたいと思う人が大半だろう。私もそう思う。

「持ち込みのええ所は、こうやってお客さんに交換するかどうか、なぜ交換するのかを説明できる所ですね」と店主。

「ベアリングがその場で交換出来るんですか?是非お願いします」と私。

そうすると店主が道具棚から大量のベアリングストックを見せてくれた。

こちらがよくあるベアリング径のストック。

ちょっと変わったサイズのベアリングもストックあり。

ベアリングは一番交換の多いパーツなので大量に、かつ丁寧にまとめてある。

また、店主はベアリングに関しては並々ならぬこだわりをお持ちのようで

ベアリングは純正か自分の納得したベアリングしか使用せず、業者からの新作ベアリングが出たときなどは最低でも3ヶ月間、自身や友人の協力でヘビーにテストし、合格したものだけを使用しているそう。

店主のベアリングに対する情熱は業者にも伝わっているようで、新作サンプルが出来上がるといち早くピカレスクに送られてくる。ピカレスクで認められたベアリングというのがステータスなのだろう。

一ヶ月のベアリング代は個人のリール屋としてはベアリング業者も驚愕の金額らしく、ものすごい量を消費するようだ。実際にうかがってみて私も驚愕。

また、ベアリングの種類は幅広くストックしているだけでなく、奥行きも確保しており、適材適所で値段の高いベアリング、そうでないベアリングを使い分けているそうだ。

店主曰く、なんでもかんでも高いベアリング使えば良いってもんでもないらしい。この部分は錆びやすい箇所だから安いやつ、この部分は錆びにくいから高いやつ等々、お客さんの立場でベアリングを選んでいる。

ベアリングだけでなく、ちょっとした特殊なパーツもそれなりにストックしており、迅速なオーバーホール&チューニングを可能にしている。

市販の工具では開けられないリールのために専用の工具も取り揃えており、開けられないリールが出て来るたびに増えている模様。

リール内部はこんなことに・・・

素人の私がオイルインジェクションから注入し続けたグリスはギアでその殆どが留まってしまっており、変色が始まっていた。

洗浄するとこの通り。グリスのカスや、使用で摩耗した鉄粉が見られる。

店主に言わせるとまだキレイなほうらしく、特にお叱りは受けなかった。

徹底的に洗浄し、多少異音のするベアリング一つを交換して完了。

LB付スピニングリールのハイパーフォースは30分強で終了。

続く2000番のハイパーフォースもベアリング一つを交換し30分で終了。

1時間で難関のLB付リール2個を討伐した店主はそのまますぐに12アンタレスの作業を開始。

LB付きスピニングリールよりも早い速度でバラバラにされたアンタレス。

淡水での使用で固着も錆びもないし、バラし慣れているので早いようだ。

別角度。

あっという間にバラしたと思ったら、あっという間に洗浄しつつ組み上げていく店主。

アンタレスは20分強でオーバーホール完了。凄まじい速さである。

アンタレスはもう一機あったが、気分なのか、すぐに16ストラディックの作業を始める店主。

「このリールはあんまり開けたことないんやけどね。」と言いつつもガンガン開けていく。

メインギアまで即丸裸にされたストラディック。

作業途中に問い合わせ電話が

作業の途中に問い合わせの電話がかかってきた。毎日何件も問い合わせの電話がかかってくるそう。

電話応対も丁寧な店主。

応対中も肩と耳で受話器を挟んで全く手を止めずに作業を行っている。

問い合わせ内容は「今まで問い合わせたメンテナンス専門店全てに断られた60年代のオールドリール修理」の様子。

名前は私も聞いたことのないマニアックなリールだったが、前期型後期型、色がどうのこうのと応対するオールドリールにも造詣が深い店主。

「出来るかどうかわかんないですけど受けることは可能です。まぁ多分出来ると思いますけど~」と伝え、受話器を置いた。

他の専門店全てが門前払いしたリールを、多分とは言え出来るとは思いますと言っちゃうのが凄い。

基本的には断らないそうで、「出来ない」とあまり言いたくないらしい。笑

もちろん、電子制御の基盤を修理するとか専門外の分野は不可能だし、どう考えても無理だろうっていうカスタムなどは受けられない。

各種カスタムもその場で。

16ストラディックのオーバーホール途中、「ここはベアリングに換えられますよ」と教えてくださったので、内部の樹脂製カラーをベアリングに変えてもらうことに。

リールのフルベアリング化チューンとか、ネットの情報ではよく見かけるけども、自分で分解するのは不安があるし、そもそも適合するベアリングがよくわからんので、なかなか出来ることじゃないんだけどピカレスクならベアリングチューンも容易に。

16ストラディックも20分強でやっつけた店主は休まずにそのままスコーピオンXT1000の作業を開始。こちらも即丸裸。即組み上げ。

グリスでベタベタだったスコーピオンを徹底洗浄した写真がこちら。ピカピカだ。

バラバラになった無残なスコーピオン。笑

ここで店主、スコーピオンの特殊なチューニングを施してくれることに。

チューニングに必要なパーツを少しだけ激写。

と、ここで店主、こだわりを見せ始める。

素人目には十分仕上がっているように感じたが、ミリ以下の精度が気に食わないらしく何度も何度も分解して調整を行う。

それはもう私が申し訳なく思うほど、何度も。

何度も精度と仕上がりを確認する店主

オーバーホールと同じぐらいの時間をかけて丁寧に仕上げて完了。

恐ろしいほどの静音性&回転性能になったチューニングマシン。

後ろを振り返ると愛猫が座ったまま寝てた。

一旦ピカレスクを後にして、向かった先は

ここまでで16時過ぎ。13時過ぎにOPENして、すり合わせを行い作業開始が13時半頃。

既にLB付きスピニングリール2機、スピニングリール1機、ベイトリール2機が終わっている。実質2時間半ちょっとで5機をオーバーホールする早業。

ここで店主が「あとは、やっとくんで。」ということで、一旦退店。

当初は、モノだけ預けて1~2機写真撮らせてもらったら、近所で時間潰しでもするかと思っていたが店主の手際の良さと、バラシながらしてくれる解説に夢中になっているうちに3時間が経過していた。

ワケあって朝食を抜いてきていたのでもう空腹MAX。

とりあえず一旦退店したことで、リール屋ピカレスクレポートその2もここで一旦終了。

その3に続きます(^^)