2018年9月4日に近畿地方を直撃した台風21号。メディアでは「最強台風」などと呼称され、最強の名に偽りのない規模の被害を残してしまいました。
釣り人としては、せっかく2018年秋シーズンの釣りもこれからいよいよハイシーズンを迎える時だったので思いっきり水をさされてしまった状況です。
メディアで伝えられているようにあまりの被害状況だったので秋シーズンには大変お世話になることの多い武庫川一文字への渡船「武庫川渡船」の状況を見てきました。
台風21号直撃の尼崎周辺
現地へは阪神高速5号湾岸線を利用し、尼崎末広出口にて下車。
末広出口すぐの信号機は停電しており、まだ復旧していませんでした。基本的には見通しの良い大きな交差点なので今の所事故などが起きた形跡は見当たりませんでしたが尼崎周辺の被害も甚大だったことが容易に想像できます。
途中では同じ武庫川一文字へ渡す久保渡船の桟橋もチラ見してみました。
基本的には桟橋自体は残っており、比較的軽傷で済んでいるのではないかという感じでしたが設備はそれなりに高潮被害を受けているものと思われるので数日程度で復旧するのは難しいかもしれません。
尼崎釣り公園及び武庫川渡船への入り口
尼崎釣り公園と武庫川渡船への一本道。
思いっきり高潮を受けたようで堤防を超えて完全に海が周辺を飲み込んだようでした。
近隣の発電施設まで押し寄せた海水が引き始めていて地盤沈下でも起きたのかというぐらいの水浸し具合。
ふと見上げれば電線にはどこからか飛んできたシート状のゴミ。
駐車場もひどい有様です。
奥のグラウンドまで海水が侵入し駐車場は完全に水没した模様。
駐車場手前の植栽はゴミと土砂でボロボロ。
台風準備の為、駐車場奥まで避難していた渡船用営業車も完全に水没しレッカー。
ちなみに駐車場にはアジやサバ、ガシラなどの小魚が至るところに転がっていました。
渡船屋の肝心要、船着き場桟橋はというと、入り口のゲートは半壊状態。
周辺道路はまだ復旧の手が回っておらず土砂とゴミが山積。
桟橋入り口にあったフェンスやガードレール、ポールなどは折れ曲がるか吹き飛ばされています。高潮でゴミが押し寄せたり、波で壊れてしまったようです。
で、桟橋はというと・・・・。
骨格のみに・・・・。
もっと手前にある旧桟橋は跡形もなくなっていたそうです。
現在の桟橋は骨格が残っているだけまだマシなほうかもしれません。
床板などは台風準備で外していたものの、高潮により押し流されてしまったとのことです。
現場では押し流された資材などの回収作業が行われていました。
武庫川渡船売店及び受付前。
浸水被害を被ってしまい、売店内まで土砂まみれだったようです。
自販機や駐車場のゲートなどはいずれも故障中の模様。
売店裏の釣り堀及びBBQコーナーも高潮被害をもれなく受けています。
プールはひっくり返り、泥とゴミで一体何から手を付けて良いのかといった感じ。
台風準備の為、救命具などは避難させていたものの一部の備品が押し流されてしまい回収作業が行われていました。びっくりするほど広範囲に流されてしまったようです。
救命浮環なども高潮により周辺に押し流されていたようです・・・。変わった形の救命浮環です・・・。初めて見ました。
武庫川一文字の武庫川渡船、復旧の目処は?
台風20号の時点でそれなりに被害を受けていた武庫川渡船ですが、今回の21号はそれを遥かに上回る大きな被害を被っています。
私の所感では「はっきり言って目処が立たない」といった所です。
無理やりイメージするならば、片付けが今週いっぱい、復旧作業の準備が数日、復旧作業に取り掛かり、同時に諸々の確認が2週間以上。
となると、どんなに早くても9月の中旬~下旬以降が目処となるだろうか?って所でしょうか。
幸いなことに武庫川渡船の場合はスタッフの数も他の渡船に比べれば多いので一旦復旧への道筋さえ決まってしまえば早いのでしょうけども、それでも今回の被害はそう簡単になかなか・・・。
被害状況を目の当たりにした際には思わず絶句してしまいました。
早く釣りがしたくてしょうがない気持ちもありますが、被災された方々のことを思うと安易に口に出来ないのが正直な所です。
急かすことは出来ませんが、復旧された際にはなにか労いの言葉でもかけることが出来ればと思う次第。